介護の現場で働いていた筆者知人のS美さんが、体験談を語ってくれました。
所長からの耳を疑う言葉
「うちは経営が厳しく、スタッフを雇えばその分あなたの給料を減らすことになりますが、それでも良いのですか?」
現在の状況をいくら説明しても所長は聞く耳を持たず、埒があきません。
毎日楽しみにデイサービスに通ってきてくれる利用者のために、私たちスタッフは少ない人数で頑張ってきたのですが、限界をむかえてしまったのです。
辞めていくスタッフたち
介護スタッフは利用者が事故なく安全にデイサービスを利用し、一日の活動を楽しんでもらえるように細心の注意を払っています。
少ない人数で業務を回すために、スタッフは無理をせざるを得ませんでした。
体を壊して休職・退職するスタッフが続出するようになったのです。
私もデイサービスに通ってくる利用者に愛着もあり、できることならばずっとこの職場で働きたいと考えていました。
ですが、負担も多くこのままでは私も体を壊しかねません。
後ろ髪をひかれましたが、自分の健康を守るためにそのデイサービスを退職しました。
自分の決断に後悔なし
退職後に風のうわさで、そのデイサービスが倒産したと聞きました。
スタッフを大切にしないということは、そこに通所している利用者を大切にしないことに繋がります。
デイサービスで出会った利用者の顔が目に浮かび心が痛みましたが、人を大切にしない職場は辞めて良かったと思っています。
【体験者:40代・パート、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。