完璧を求める母
私の母親は、何事にも完璧を求める人でした。私が勉強で95点を取っても「なぜ100点じゃないの?」と言われ、運動会で3位に入賞しても「1位じゃないのが残念ね」と冷たく言われたものです。私は母の期待に応えるために、いつも頑張っていましたが、心の中では「どうして褒めてもらえないの?」と苦しんでいました。
自分の価値に自信が持てない大人に
大人になった私は、母の影響で「完璧でなければ認められない」と感じるようになっていました。職場でも小さなミスで自己嫌悪に陥り、他人の評価ばかりが気になってしまう自分に気づきました。何をしても満足感が得られず、次第に「自分は何をしても足りない人間なのでは?」と思うようになってしまったのです。
母と向き合う決心
ある日、母と久しぶりに食事をする機会があり、私は勇気を出して「小さい頃から褒めてもらいたかったのに、ずっと厳しい言葉ばかりでつらかった」と伝えることにしました。母は少し驚いた様子で、「私があなたを傷つけていたなんて……。」と涙ぐみながら、実は私の将来を心配するあまり、厳しくしてしまっていたと語りました。
心が軽くなった瞬間
私は母の思いを知り、少しずつ母に対するわだかまりが薄れていきました。それでも、自分を責める気持ちは完全には消えないものの、母との会話を通じて「自分は自分でいいんだ」と思えるようになったのです。
私は、自分の気持ちを母に伝えたことで、少しだけ心が軽くなりました。親の影響から解放され、自分らしく生きる一歩を踏み出せたのです。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。