ママ友の心無い言葉に……
「えー、なんで離婚しちゃったの?」
「まあ、色々あって……」
Mさんはそのママ友が詮索好きで、他のママ友たちにも旦那さんの会社や年収などを根掘り葉掘り聞いていたのを思い出しました。
「性格の不一致ってとこかな」
ママ友に本当のことを話すのは避けようと思い、当たり障りのないことを答えてごまかしました。
「へー、性格の不一致くらい我慢すれば良かったのに! だってその歳で旦那もいなくてちゃんとした職もないなんて人生終わってるじゃん! 貧乏まっしぐら!」
「え?」
ママ友はゲラゲラと笑いながら続けました。
「これからどうやって暮らしてくの? 養育費? 慰謝料? もうこの家を売るしかないんじゃない? だってもうお金持ちの良い男なんて捕まえられないでしょ! その歳じゃ」
「う、うん、 まあ大丈夫。とりあえず帰ってくれる? 今バタバタしてるから」
「そうだよね、パートとか探してるなら紹介してあげるから言って! まあパートじゃ息子くんが行きたがってる私立中学は無理か。息子くん超賢いのにもったいないねー。貧乏ってほんと罪だよ」
ママ友は散々Mさんをバカにして帰って行きました。
しかしそのママ友には伝えていなかったけれど、実はMさんはとある国家資格の持ち主。子育て中の現在は、在宅の仕事でガッツリ稼いでいます。
翌年、Mさんは息子が志望していた私立中学を受験させ、無事に合格。自分の稼いだお金で学費を支払うことができました。
それを聞いた例のママ友には「なんで私立行けたのよ! 本当は慰謝料ガッポリとったんでしょ!? 」と詰め寄られましたが、華麗にスルーしたそうです。
悪気はなかったのかもしれませんが、離婚をして傷ついている人を貧乏だと決めつけて「人生終わってる」とは本当に失礼な話ですよね。
【体験者:40代・女性自営業、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。