身体も心も傷つけるDV行為。責任感の強い人ほど「自分さえ我慢すれば」「私がダメな人間だから」と耐えてしまうことも、よくあるようです。まさにそんな状況だった友人のD子が、夫から逃げることができた理由を聞かせてくれました。

「パパなんか、いなくていい!」

「ママは弱虫なんかじゃない!」突如、息子が大きな声で泣き始めました。
「ママは、いつも僕のことを考えてくれて、とっても強いもん。ひどいことをするパパなんか、いなくていい! 僕、ママと2人で笑って暮らしたい」
息子のためを思って、今までどんな辛いことにも耐えてきました。ですが、逆にそのことで、我が子を苦しめていたなんて。私は、目が覚めたような気がしました。

決意の夜逃げ

正攻法で離婚を切り出そうものなら、もっとひどい目に遭うかもしれない。夫に恐怖心しかなかった私は、その夜、息子を連れて貴重品だけを持ち、家から逃げ出しました。私たちが家出したことに気づいた夫は、留守電やメールで帰るように、強い言葉で脅してきました。

結局、そのメッセージが証拠の一部となり、DVを理由に離婚を成立させることができました。もちろん親権者は私です。私も仕事を始め、控えめな生活ながら毎日息子と笑って過ごしています。

あのときの息子の言葉がなかったら、今もなお暴力に苦しむ日々を送っていたかもしれません。本当の幸せとはなんなのかを教えてくれ、第二の人生をプレゼントしてくれた息子には、感謝しかありません。

【体験者:30代・女性正社員、回答時期:2024年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。