心のダメージは目に見えにくい分、たとえ本人でも正確に把握するのは難しいものです。大丈夫だと思っていても、いつのまにか追い詰められていることも少なくありません。今回は筆者の友人が経験したエピソードをお届けします。
激務に追われる毎日
これは私が20代半ば頃のことです。
当時、私は社内でも随一の忙しい部署に勤めていました。毎日残業で終電帰り、休日出勤も当たり前。人手も足りず、いつでも「自分が頑張らないと」「自分がなんとかしないと」と思って、昼夜関係なく頭の中は常に仕事のことでいっぱいでした。
起きられない……
そんな生活が1年ほど続いたある日、突然私は朝になってもベッドから起き上がれなくなってしまいました。
もともと寝起きは良いほうだったのですが、身体がダルくて言うことを聞いてくれず、仕事に遅刻することも増えました。
このままではいけないと思い受診したところ、軽度のうつ病を患っていることが判明!
医師からは、仕事をしばらく休むように勧められましたが……
休まなくても大丈夫!
その時私の頭に浮かんだのは、うつ病を患っていても薬で上手く付き合って仕事を続けていた先輩のことでした。
「先輩も大丈夫だったんだから、私も休まなくても大丈夫!」
そう考えて、医師からのアドバイスも聞かず、それからも会社で激務を続ける道を選んでしまいました。
しかし、その2ヵ月後、私は本格的に体調を崩して仕事に行くどころか日常生活もままならない状態になり、仕事を休職せざるを得なくなってしまいました。
「心の風邪」を甘く見ないで
「どうして先輩みたいに上手くできないんだろう……」と落ち込む私を救ったのは、医師がかけてくれた言葉でした。