不登校
私の娘は、中学校1年生の夏頃からイジメが原因で不登校になってしまいました。
朝になると「お腹が痛い。」「頭が痛い。」と言って、休むようになったのですが、ついにある時「イジメられてるから学校に行きたくない。」と打ち明けてくれたのです。
学校側とさまざまな話し合いをしたのですが、具体的な解決策はないまま。
そんな状態でしたが、私は入学時にPTAの役員になっていたため、役員の活動は継続して行っていました。
同じ現象
ある時、保護者会が開催されることになり、私も役員として出席しました。
すると、娘の不登校を知って様子を探りたい数人の保護者が、私に話しかけてきたのです。
「ねぇねぇ、Mちゃん(娘)は何で学校休んでるの?」「部活でイジメがあったって本当?」「加害者の名前は聞いてる?」などと興味本位で探りを入れてきました。
私はうんざりして「あまり家では話してくれないのよ。」とごまかしたのですが、「TちゃんとかRちゃんじゃないの? 意地悪しそうじゃない!」「何かうちの子も言ってた! あの子たちには近づかない方が良いらしいよ。」「Mちゃんも何かしちゃったんじゃない? そうじゃなかったら、そこまでイジメられないでしょ?」などと勝手なことばかり言い出したのです。
加害者側
すると、その様子を近くで見ていた一緒に役員をやっているママ友のSさんが助け舟を出してくれました。
「そういう勝手なことは言わない方が良いんじゃない?」
私はそのまま話を終わらせたかったのですが、その保護者たちはさらに口々に文句を言い出しました。
Sさんは呆れたように笑い、彼女たちに向かって一言、「そういう態度ってことは……あぁ、あなたたちも加害者側に近い人間ってことね。」と言ってくれたのです!
きっかけ
確かに、勝手な憶測で人のことを悪く言うことはイジメと同じです。
Sさんにやり込められた保護者たちは、心配して言ってくれていたのかもしれませんが、気まずそうにその場からいなくなり、私はホッとしてSさんにお礼を言いました。
「言いたい奴らには言わせておけばいいよ。でもたまにはガツンと言わないとね!」と笑ったSさん。
その後、娘も少しずつ学校へ行けるようになったのですが、力を貸してくれたのはSさんの娘さんでした。
SさんにもSさんの娘さんにも、とても感謝しています。
【体験者:40代女性・パート、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。