副作用
私は現在、ステージⅢBの乳ガンの治療中です。
乳ガンがわかったのは4年前……手術・放射線・抗がん剤という標準治療を行いました。
手術後も痛かったし、放射線も皮膚がかぶれて大変だったのですが、一番悩まされたのは抗がん剤の副作用でした。
吐き気、倦怠感、頭痛など、さまざまな症状が出ましたが、何と言っても外見の大きな変化につながる『脱毛』には驚かされました。
体毛はもちろん、頭髪や眉毛までが驚くほどきれいになくなり、小さかった息子に「(絵本に出てくる)海坊主さんみたい」と言われるほど、身体中の『毛』がなくなってしまったのです。
外出時
抗がん剤の投与終了後、1年ほどたつと普通に外出することができるようになりました。
息子の学校行事などにも参加できるようになったため、外出時の髪の毛対策をしなければいけなくなったのです。
仲の良いママ友たちにはガンのことを話していたのですが、その他の人には伝えていなかったため、何とかごまかす方法を考えてみました。
脱毛後の頭皮は非常に敏感になっているため、がん治療後専用のウィッグを購入。
しかし、一般的なウィッグのように複数のヘアスタイルは選べず、ショート・ミディアムショート・ロングの3種類しかなかったのです。
私はもともとショートヘアだったのでショートのウィッグを購入したのですが、これがどうもイマイチ(笑)
息子や夫も「ママには似合わない!」と言うほどでしたが、とにかく慣れなければいけないと思っていました。
誰?
ウィッグがイマイチだったため、次に私は帽子にチャレンジしてみました。
帽子も脱毛後の頭皮を保護する、専用のキャスケットを購入したのですが、深く帽子を被ると誰だかわからないのです。
それでもウィッグほどの違和感はなく、夫や息子も「こっちの方が自然だよ。」と言うので、帽子で隠すことに。
結局、複数の帽子を購入して、TPOに合わせて被ることに落ち着きました。
時には
ウィッグは抗がん剤後の脱毛専用の物だったので、非常に高価でした。
しかし、全く出番がなく、今もほとんど帽子を被っている状態です。
夫には「これだったらウィッグいらなかったよね。」と苦笑いされる始末。
ただ、冠婚葬祭などは帽子を被れないため、ウィッグを着けるようにしています。
きっと似合うウィッグがあるのでしょうが、最近は少しずつ髪の毛が復活しているので、ベリーショートに落ち着くくらいまでは帽子で隠し通そうと思っています。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。