人生の最後に落ち着く場所であるお墓。
最近は子どもが少なくなってきたこともあり、将来的に誰が守っていくのか問題になっている家庭もあることと思います。
これは筆者の知人S子から聞いた、義実家のお墓についてのエピソードです。

婿養子に入った長男

Y汰は高校卒業後、大学進学のために家を出て地方で一人暮らしを始めました。

そのまま大学がある街の企業に就職し、職場で出会った女性と結婚したY汰は、一人娘だった女性の家に婿養子に入ってしまったのです。

そのとたんに義実家の義父をはじめとする親族が、手のひらを返したようにM佑に対して優しくなりました。

義父は急にM佑にたくさんお小遣いをあげはじめ、挙句の果てに
「将来はお前が小林家のお墓を守っていくんだ」
と言い出したのです。

私はその変わり身にドン引きしました。

家や墓にしばられないで自由な人生を

「今までさんざんM佑に冷たくしてきたのにその言いぐさはないだろう」
と私は憤慨しました。

M佑には
「大切なのは家ではなく、あなたの人生。家やお墓にしばられることはないよ」
と告げました。

数年後M佑も結婚しましたが、結婚相手に選んだのは職場で出会った地方出身の二人姉妹の長女。

二人はいずれ結婚相手の実家がある街に住みたいそうです。

私は自分が死んだ後は共同墓地に入り、残った人たちの手をわずらわせたくないと思っています。

お墓を守る人がいなくなったとあたふたする夫と義実家の人たちを見て内心、小気味よく思っている私でした。

【体験者:50代・パート、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。