これは、筆者の友人Aから聞いた話です。
公民館で開催された手作りアロマキャンドル教室に、赤ちゃんを連れて参加したA。
慣れないワンオペ育児に疲れてしまい、少しでも外の世界と関わりたかったのです。 しかし、その日は思いがけないハプニングに見舞われることに……。
公民館で開催された手作りアロマキャンドル教室に、赤ちゃんを連れて参加したA。
慣れないワンオペ育児に疲れてしまい、少しでも外の世界と関わりたかったのです。 しかし、その日は思いがけないハプニングに見舞われることに……。
ワンオペ育児の毎日に、癒しを求めて
「アロマキャンドル教室。心にホッと灯火を。子連れOK」
地域の情報サイトを見ていたAは、これだ! と目を輝かせた。慣れない育児、しかもワンオペ。たまには息抜きをしたい! と思ったAは、公民館で開かれるこのイベントに参加することに。
娘を泣き止ませられない私はママ失格?
当日、生後4ヶ月になる娘も連れて参加。
ちょうどウトウトし始めた娘を、設置されているお昼寝スペースに寝かせ、勇気を出して輪の中へ。久しぶりの大人同士の会話に、「来てよかった」と嬉しくなっていた。
ところが、キャンドル作りも佳境に入り、さあここから! というタイミングで泣き出した娘。あわてて娘を抱きかかえてあやすが、一向に泣きやむ気配がない。
焦りと不安が募る中、Aは冷ややかな周りの視線を感じ、心が折れそうになった。
「まだ赤ちゃんなのに連れてくるなんて」
まるでそう言われているようで、Aは娘をぎゅっと抱きしめ、廊下に出た。
どんどん泣き声が大きくなる娘。どうしたらいいか分からず、Aはオロオロするばかり。
すると向かいの部屋の扉が開き、「うるさいんだよ、母親なら泣き止ませろよ!」と、男性の怒鳴り声が響いた。「すみません……」消え入りそうな声で頭を下げる。
私はここに来ちゃダメだったのかな。途端に、鼻の奥がツンとする。Aはこぼれそうな涙を必死に堪えた。