五体満足健康にわが子が生まれてくる、というのは当たり前ではありません。生まれつき病気を持って手術を経験した親子に対し、失礼な言葉を投げかける人もいるのです。友人が話を聞かせてくれました。

手術跡は誇り! 息子の成長と親の思い

私の息子には生まれつき病気があり、成長の様子を見て手術をしました。手術は腕だったので、ずっと服で隠しきることはできません。息子は暑がりで半袖を着たがるし、私も手術跡を隠そうとは思いませんでした。

医師も、「この手術の跡は頑張った証だから、自慢していいくらいだよ」と言ってくれました。私はその言葉に励まされていました。息子はまだ物心がついていなかったので、手術跡を気にすることもなく、それも幸いしていました。

無神経な言葉! Tさんの反応がもたらした心の傷

息子は、退院後、落ち着いたころに保育園の登園を再開しました。そして登園してすぐ手を洗っていたときのこと。

同じクラスのママTさんが、息子の腕の手術跡を見るなり、「うわー!! 痛々しいね! 見てられない」と顔をそむけたのです。手術跡はきれいで、かぶれたり、ただれたりもしていません。それなのに畳み掛けるように「あー痛々しいね、本当にかわいそう」と、私を見て、同意を求めるように言い続けるTさん。

私は「かわいそう、痛々しい」と言われたことに、驚き、そして心底傷つきました。そのときは突然の心無い言葉に、なんと言い返したらいいのかもわからず、無言の引きつり笑顔でその場をやり過ごしました。