しかし、その境界があいまいになると問題が生まれることもあります。
A子は姑の過干渉と溺愛に悩みながらも、家族の絆を守るためにある決断をしました。
今回は、A子の体験談です。
姑の溺愛と過干渉に戸惑うA子の悩み
A子には7歳と5歳の双子の3人の息子がいます。
姑は孫たちを何よりも可愛がり、しょっちゅう自宅に呼び寄せました。
「美味しいケーキを買ったから、みんなでおいで」
「幼稚園のお迎えは私が行くわ」
孫たちは、自由にお菓子を食べ、ゲームやYouTubeを楽しめる姑宅が大好きになり、通うたびに大喜び。
しかし、A子は次第に不安を感じるようになりました。
子どもたちが「おばあちゃんちでお菓子をたくさん食べたから、ご飯いらない」と言うことが増えたからです。
A子は「お菓子は控えめにしてほしい」と何度か頼みましたが、姑は
「しつけはあなたの仕事でしょ? 私は孫を甘やかしたいの」
と取り合ってくれません。
A子は感謝しつつも、「このままでは家庭のルールが崩れる」と心配になり、姑の誘いを徐々に断るようになりました。
「邪魔なの?」姑の言葉に動揺
しばらくして誘いが減ったものの、ある日「孫たちに会いたい」と連絡が。
A子は「少しくらいなら」と思い、子どもたちを送り出しました。
夕方、帰宅した子どもたちは、なぜか不安そうな表情。
すると長男が
「ママとパパは僕たちがいないほうが楽しいの?」
と聞いてきました。
突然の問いにA子は驚き、
「そんなことないよ。どうしてそんなこと思ったの?」
と聞き返すと、長男はこう答えました。
「おばあちゃんが、ボクたちがいないほうがママたちは楽しいって……」
A子は、姑が子どもにどうしてそんなことを言ったのか怒りが込み上げ、すぐに夫に相談しました。
夫婦で協力し姑と対話
夫は「これは放っておけない」と姑に電話をかけ
「子どもたちにそんなことは言わないでほしい。自分の言葉がどう影響するか、考えてくれ」
と伝えました。
姑は黙り込んだ後
「ごめんなさい、言い過ぎたわ」
と謝罪しました。
孤独が生んだ誤解とA子の決意
その後、A子は「孫たちに会いたい」という姑の言葉を思い出し、彼女は寂しさから孫を囲い込もうとしているのではないかと考えるようになりました。
しかし、どんな理由があったにせよ、子どもに不安を与える言動は許されません。
A子は夫と話し合い、今後は、姑の気持ちにも配慮しつつ、家族のルールを守りながら関係を築いていくことを決意しました。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。