A子もまさにそんな状況に直面しました。
けれど、彼女は悩みながらもある決断をし、驚きの展開を迎えることに──。
A子から話を聞きました。
店長のセクハラ発言に立ち向かったA子の話
A子は、居酒屋での仕事を始めました。
活気のある職場で、同僚たちも気さくな人ばかり。
すぐに打ち解け、楽しく働けていましたが、1つだけ心に引っかかる問題がありました。
それは店長のセクハラ発言。
「今まで何人の彼氏と付き合った?」
「俺と付き合えば、もっと楽しいことがあるぞ」
最初、A子は「それ、セクハラですよ〜」と笑いながら受け流していましたが、店長の言葉はどんどんエスカレートしていきました。
毎回顔を合わせるたびに嫌な気持ちになり、職場に向かう足取りもだんだん重くなっていきました。
「また今日も何か言われるかも……」と不安が頭から離れず、A子の心は徐々に追い詰められていったのです。
限界を迎え、店長に直談判
ある日、A子は「もう我慢できない」と思い、勇気を振り絞って店長に立ち向かいました。
「本当に嫌なので、もうやめてもらえませんか?」
店長は少し困った顔をして、「わかった、もう言わないよ」とその場で謝罪。
A子は一瞬、肩の荷が下りたような気がしましたが、心のモヤモヤは完全には晴れませんでした。
休憩室で耳にした店長の本音
その数日後、A子は休憩室で、店長と系列店で働く従業員が話しているのを偶然耳にします。
「A子、全然使えないんだよな。うちにはいらないから、そっちの店にあげるよ」
その瞬間、A子は「まるで自分が不要なお荷物みたい──」と愕然としました。
怒りと悲しみで、職場に居場所がないように感じ、心が折れそうに。
予想外の展開で訪れた転機
しかし、数日後、A子は思いがけない知らせを受けました。
「店長、他の店舗に異動になったらしいよ」
驚くA子に、同僚が説明してくれました。
実は、休憩室で店長と話していた従業員はA子の友人で、彼女が系列店の店長に事情を相談してくれていたのです。
「A子が異動する必要なんてないよ。問題があるのはあの店長なんだから」と友人が勇気を持って伝えたことで、店長の異動が決まったのでした。
A子はその瞬間、胸のつかえが取れたように感じました。
それ以来、職場に行くことが楽しくなり、笑顔も戻りました。
コミュニケーションのつもりだったのかもしれませんが、何事もやりすぎはよくありませんよね。ちなみに、異動した店長はしばらく新しい店舗で働いていましたが、最終的には自ら退職したそうです。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。