子どもの反抗期に、頭を悩ませるお母さんも多いことでしょう。でも親への反抗は、実は自立心の表れ。つい干渉したくなるのを堪えて、時には我が子に失敗をさせることだって、親の愛情の1つかも。今回は、筆者の友人M子親子に起きたエピソードをご紹介します。

重度のうつ病

入社式の朝、スーツを着て家を出ようとしたM子。
「あれ?」身体がおかしい。足が一歩も動かないのです。とめどなく溢れる涙を流しながら、M子はその場にへたりこんでしまいました。
次の日も、その次の日も、出社することができなかったM子は、I美に病院へ連れて行かれ、医師から重度のうつ病だと診断を受けました。
糸が切れたかのように、何もできなくなったM子は「自分の人生なのに、何一つ自分で決められない、もう何も考えられないし、動けない。」と毎日むせび泣きました。
そんな娘を見て、I美はようやく自分の過ちに気づきます。娘が可愛くて、心配なだけだったのに。私がこんなに追い詰めてしまったんだ……。

踏み出した一歩

あれから10年以上経ちますが、M子は今も闘病中で、精神薬が手放せません。ですが、最近アルバイトを始め、一人で暮らすようになったことは、大きな進歩だと言えるでしょう。昔のI美なら、M子を実家から出すことなんて考えられませんでしたが、今は娘の自立心を尊重し、サポートしているそうです。

娘のことを思う気持ちもわかりますし、母の愛は海よりも深し、と言いますが、その愛情に溺れ、息ができなくなってしまったM子。彼女が再び、夢中になれる目標を見つけられる日が訪れますように。

【体験者:30代・女性フリーター、回答時期:2024年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。