これは実際に私が体験した話です。
夫にとって人生初の新車。ディーラー巡りと試乗を重ね、お気に入りの一台を購入。
車が納車されてからというもの、帰宅してはドライブ、休日は朝から洗車、匂いをつけたくないと禁煙にも成功し、とても大切にしていたのですが……?

突然の電話

新車購入から1カ月ほど経った朝、義母から電話がありました。

「お義父さんがこれから出張なんだけど、車が故障して動かないの。すぐに車持ってきて!」

車で出かける予定があり準備中だった私は、義母にレンタカーを借りてはどうかと提案しましたが、

「お義父さんが仕事に間に合わなくなってしまう、重要な商談だから今すぐ持ってきて!」

の一点張り。
義母の勢いに負けた私は、義父の待つガソリンスタンドへ急いで向かいました。

なぜかうれしそうな義父

「わざわざ悪いね」

謝ってはくれたものの、ウキウキと新車に乗り込む義父に、私は一抹の不安を覚えました。

実は義父、一日に2箱以上の煙草を吸うヘビースモーカー。
義父の車は喫煙車で、車内もヤニ色に染まっている程でした。

とはいえ、自分の車ではないし、我が家の車は禁煙ということはしっかり伝えていたので、不安を抱えつつも遠ざかっていく新車を見送りました。

義父の帰宅

3日後、義父が帰ってきたというので、夫が義実家へ車を取りに行きました。

「走りやすい車だったわ」

返してくれた車は煙草臭にまみれ、未使用だった車内の灰皿も吸い殻でいっぱいの状態。

「これでガソリン入れて帰って。今回はありがとう。」

笑顔で鍵とガソリン代を渡してきた義父に

「禁煙車だったのに、なんで煙草を吸ったんだ! 買ったばっかりだぞ!」

激怒する夫と消臭剤で何とかなると言い張る義父母との言い争いは1時間に及びました。

ディーラーへ直行

「話にならない!」

怒りのまま義実家を出た夫は、ディーラーへ向かい車内クリーニングを依頼、義父母にそのクリーニング代を請求しました。
義父母はめったに怒らない夫の激怒におののき、しぶしぶクリーニング費用を負担してくれました。

煙草を吸うくらい大丈夫と軽く考えていたのかもしれませんが、それ以来、義父母が私たちの車を貸してくれということはなくなりました。
義両親にとっては痛い出費だったでしょうが、「子供のものは親のもの」と思っている義両親にはいい薬だったと思っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。