これは私が実際に体験したお話です。
父のお葬式。平日にもかかわらず参列予定のない中学生が現れてびっくり。父に会ったこともほぼない従兄弟の彼女がお葬式に来た理由は「一人で留守番をさせるのはかわいそう」という従兄弟夫婦の都合だったようで……?

訝しげな視線を送る私に、従兄妹の母である伯母が、
「今朝、A子(女子中学生)が修学旅行から帰ってきたんだけど、嫁たちが『一人で留守番させるのはかわいそうだ』って言うから連れて来るように言ったのよ。会食の数が合わなくなるけど、自分たちの分を一緒に食べさせるから心配しないで。下の子も、家族が行くなら自分も学校を休んで行くと言いだして、朝大変だったのよ」
と笑いながら話しかけてきました。

子どもを心配する親心は分かりますが、両親が仕事の時は、A子に留守番を任せているはず。
それに、ここは故人を悼むお葬式の場です。

「お葬式は家族そろって楽しみに来るところですか?」など、脳内でいろいろな気持ちがグルグル巡りましたが、言葉には出しませんでした。

急いで人数変更

取り急ぎ、会食の数の調整のため担当の方に連絡を取り、A子たちの分の食事を確保しましたが、だんだんと怒りが募ってきました。

父の死を悲しんで来てくれたのではなく、留守番がかわいそうだからとお葬式に参列?
そもそも従兄妹一人で参列すると聞いていたのに……。

父の入院中も全く顔を見せることなく、父を偲ぶ為の参列でもない。
ただ、留守番をさせたくなかったという参列理由に、父のお葬式を冒涜された気分になりました。

ますますの疎遠を決意

今年、父の十回忌でしたが、お葬式の後は従兄妹家族と会っていません。
忙しい中、参列してくれたことには感謝していますが、生きてる間に父に声をかけてほしかった。
悼む気持ちがある人だけで、静かに見送りたかったです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。