良かれと思ってやったことでも、相手には「ありがた迷惑」と感じられることがあります。
知人のA子も、そんな状況に悩んでいました。
彼女の姑は元幼児教育の専門家で、孫の誕生をきっかけに、専門知識をもとに頻繁にアドバイスをしてくるように。
A子はそのことで、だんだんとストレスを感じるようになっていったそうです。
今回は、そんなA子の話をお伝えします。

待望の子どもと始まった義母の育児アドバイス

知人のA子は、結婚して3年目に待望の子どもを授かりました。

家族全員が喜びに包まれ、特に姑は元幼児教育の専門家としてもその喜びはひとしお。

姑は「私の知識を活かすときがきた!」と意気込んで、A子にさまざまな育児アドバイスを始めました。

最初は「ありがたい」と思っていたA子でしたが、次第にそのアドバイスが重荷に。

たとえば、「離乳食では一から出汁を引いたものを使いなさい」や「おもちゃは手作りのものを与えなさい」など、姑の具体的な指示が続きました。

そのたびにA子は戸惑い、姑の言葉が心の負担に。

感謝の気持ちが次第に薄れていくのを感じました。

空手を習わせたい姑の提案

そんな中、息子が小学校に入学したころ、姑が突然「孫に空手を習わせたい」と言い出しました。

「送り迎えも私がやるから」と張り切る姑。

A子は困惑しました。

息子は友だちとサッカーをやりたいと言っていたため、A子は息子の意志を尊重したいと思いましたが、姑は「空手の方が将来役に立つ」と譲らない様子。

「子どもの意志を尊重したいのに、どうすればいいの?」と、心の中で葛藤しながら、答えを見いだせずにいました。

息子の決意と家族の変化

ある日、姑が直接息子に「空手をやれば、ばあばが送り迎えするよ」と声をかけました。

内心ハラハラしていたA子ですが、息子は毅然とした態度で「そんなに空手が好きなら、ばあばが習えばいいでしょ! ぼくはサッカーがやりたい!」ときっぱり言ったのです。

その瞬間、場の空気が固まり、姑も驚き、言葉を失いました。

A子は息子の成長を感じ、「自分の気持ちをしっかり伝えられるようになったんだ」と胸を撫で下ろしました。

この出来事をきっかけに、姑の干渉も落ち着き、A子は自分のペースで子育てを進められるようになりました。

まとめ

姑に悪気はなかったと思いますが、親はあくまでもA子夫婦。

元幼児教育の専門家だからといって、あまり口を出すのは考えもの。

A子は、息子の成長を見守りつつ、自分の育児スタイルを大切にしていきたいと感じています。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。