サッカーの練習中に
A子の小1の長男Y輔は、毎週土曜日にサッカーを習っています。一生懸命サッカーの練習に励んでいるわが子の姿を見ていて、A子は通わせてよかったと常々思っていました。
サッカーの練習中はその様子をピッチの外側で観覧している保護者も多くいます。ママ友であるB美の長男K太も同じくサッカーを習っているため、A子とB美はよく一緒に観覧しているのですが……。いつも通り持参したアウトドアチェアに並んでしゃべっていると、B美が衝撃的な事実を語り始めたのです。
ママ友の衝撃的な発言に耳を疑う……
一切悪びれることなく、「今日さ、K太実は熱あったんだよねー! でもサッカー行きたいって言うから来たのー!」と笑いながら言うB美。よくよく話を聞くと、38.0度あるとのことでした。「え、休まなくていいの?」とA子はびっくりしてしまいました。B美は「大丈夫っぽい」と曖昧に答えます。病院に行って医師の診断を受けることもなく、「もしかしたら流行り病にかかっていて、サッカーの練習に行くと周りにうつしてしまうかもしれない」という心配もしていないようでした。
K太を見る限り、38度の熱があるとは思えないほどの機敏な動きをしていましたが、K太が練習に参加できていることと高熱を出していることは別問題ですよね。
K太の体調のことももちろんですが、A子が一番心配していたのはY輔とK太は仲がよいため、2人が至近距離で会話したり遊んだりすること。Y輔を含めほかの子どもたちもK太が発熱中だということを知らないようで、この日も至近距離で接していることに、「もしうちの子が病気になったら」と複雑な気持ちになりました。
ママ友には言えないけれど……
B美の親としての振る舞いが信じられなかったA子。B美に直接注意することは勇気がなくできませんでしたが、A子からK太には「熱があったら家で休んでないとだめだよ。人にうつしちゃうかもしれないし、長引くといけないからね。」と練習の隙を見て言っておきました。
コーチに報告……すると?
練習終了後もK太の体調が悪化するようなことはありませんでしたが、サッカーのコーチには「38度の熱があるにもかかわらず、練習に来た子がいる」とだけは一応報告。
その日の夜、サッカーのグループラインにて「発熱中は練習に来ないでください」という注意喚起が流れてきました。「自分の常識がほかの人の常識とは限らない」ということを改めて痛感したA子でした。
習い事に行きたいという子どもの気持ちも、それを尊重したい親心も分かりますが、子どもは周りが見えていない分、親が「子どもから病気がうつってしまうかも」という可能性を考えて判断することが大切ではないでしょうか。もちろん高熱の子どもの体も心配ですが、それ以上にほかの人にも迷惑になってしまいます。家族に赤ちゃんや受験生の方がいらっしゃったりすると、取り返しのつかない状況にもなりかねません。子どもが高熱の時は、まずはきちんとお医者さんの判断を仰ぐのが賢明でしょう。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:ichika.K
2児の育児を機に、ママの悲喜こもごもを描くライターとしての活動をスタート。子育てメディアなどの執筆を経て、独立し現在はltnでコラムを連載中。大手企業の総合職でのOL経験、そこから夫の単身赴任によりワンオペでの育児を行った経験から、育児と仕事を両立するママの参考になる情報を発信すべく、日々情報をリサーチ中。