本音
しかし、そんなN絵の態度に一番呆れたのはJでした。
「N絵、そんなに嫌なら離婚してくれて構わないよ。病気になっちゃったのはどうしようもないし、文句言われることじゃないと思う。それに母さんにも失礼だろ。」と一言。
N絵は「私は親がいなくて、さんざん貧乏してきたの! もう貧乏はコリゴリ! Jなら高給取りだし、実家もお金持ちっぽかったから結婚してあげたのに!」と言い出しました。
初めて我が家に来た時、値踏みするように家中を見ていたのはこういうことだったのかと私は納得。
「あれは私の夫の家なのよ。早くに亡くなったけど、家だけは残してくれたの。」と言ったのですが、N絵はすでに聞く耳を持っていませんでした。
顛末
N絵はJが入院している間に、早々と離婚の手続きを進めたそうです。
その後、Jの手術は成功し、今まで通りの生活ができるようになりました。
N絵の気持ちもわからなくはないですが、Jと離婚した経緯が会社の同僚にバレてしまい、会社に居づらくなって退職。
今はどこで何をしているかもわからないそうですが、私は自分の直感が間違っていなかったと確信。Jに結婚前に助言するべきだったかなと後悔しています。
人間長く生きていると、人を見る目は養われていくんですね。
【体験者:50代女性・会社員、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。