夫が友人に一目ぼれ
私自身の結婚式でのできごとです。無事に式が終わった後、披露宴で友人たちが「おめでとう」と声をかけに来てくれました。
友人たちがそれぞれの席に戻ったあと、夫が小声で「さっきの小さい子だれ?」と私に聞いてきたので、私は「学生時代の友人のA子だよ」と教えました。
すると夫が信じられない一言を発します。
「あの子めちゃくちゃタイプだ」
「えっ……?」
あなたさっき私と永遠の愛を誓ったばっかりじゃない!? 私は夫の言葉に頭が真っ白になってしまいました。
友人グッジョブ!
このときだいぶ酔っぱらっていた夫。とはいえ到底許される発言ではありません。
私に「ちょっと行ってくる」と言い残し席を立った夫は、A子の席に向かっていきました。
「ちょっと待ってA子は……!」
私の静止を無視して、A子の元に行った夫。そして大勢の前でこう声をかけたのです。
「一目で君に惚れた。もっと早く出会いたかった」
まさかの新郎の口説きに周囲は言葉を失いました。しかし、こんなめちゃくちゃな状況でもA子は冷静でした。
「私には夫がいますので。それよりもお嫁さんのことを大事にしてあげてくださいね」
これを聞いた夫は酔いから冷めたのか、一気に真っ青に。「すいません! 今のは忘れてください!」とA子と私に頭を下げ続けていました。
あれから10年後
酔っていたからといって、自分の友人を口説き結婚式を台無しにした夫を、当時は許せませんでした。
一方で「彼女のことを可愛いと思ったのは確かだけど、お酒の力でそう見えただけかもしれない」と振り返る夫。「もちろん本気で好きなのは今も昔もお前だけだから」と言う夫ですが、本心は分かりませんね。
ただ結婚式から10年経った今でも、この騒動が大きな貸しとなっているので、夫を尻に敷きまくっています。おかげで結婚生活は楽なので、過去の夫の過ちは私にとって無駄ではなかったようです(笑)
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。