親はどんな子どもでも「最愛の我が子」「自慢の我が子」だと思います。それは周りから見ると、ただの親馬鹿になってしまうのかもしれません。
そんな親心ですが、時にはいき過ぎてしまうこともあるようで!? 今回は筆者の友人A子さんのお話です。

弟はなんとお医者さんに!

3兄弟の真ん中であるA子さんのお話です。
兄は普通のサラリーマンとなり、A子さんはごく普通のOLとなりました。

しかし弟は猛勉強の末、なんと医者になったのです!
A子さんは弟が本当に猛勉強して苦労していたのを知っているので、まさに自慢の弟でした。

それは家族も皆、同じ気持ちだったと思うのですが……。

溺愛される弟、明らかに異常な医者への固執

両親にとって弟は本当に自慢そのもののようで、A子さんや兄より何より、弟命! という雰囲気だったのです。
元々末っ子ということで、誰よりも可愛がられていた弟。
そんな最愛の弟が医者になったのだから、まさに両親の誇りといっても過言ではありませんでした。

しかし、そんな両親の気持ちはハッキリ言って異常でした。
A子さんが結婚相手を会わせたいと両親に話した時には、

「相手の職業は!? 医者じゃないの!?」

などと言い出したのです。
そのまま「いかに医者がすごい仕事か」という話をグチグチ言い出して、最終的には「そんな医者になった弟は、どれだけ素晴らしいか」という話になってしまうのです。

弟を溺愛するのはいいとしても、そんな両親の様子にはウンザリしていました。

異様な様子に、もうついていけない。私の子は自由に育てます

その後、その時紹介した彼と無事結婚することに。
第一子は男の子だったのですが、なんと両親は「今から医者に育てよう」と息巻いていたのです。
オモチャは知育系のものばかりで、幼い息子には難しそうな教材まで大量に買ってくる始末。
呆れたA子さんは、

「息子には自由に、自分の好きな仕事についてほしい」

そう何度も両親に話しましたが、両親は、

「絶対医者にしないとだめ!」
「医者が一番いい仕事なんだ!!」

と断言されてしまったのです。
そんなことが続いてしまい、いい加減頭に来てしまったA子さん。
極力実家を避けるようになり、盆や正月も時々しか帰らなくなってしまいました。

それでも毎年、息子の誕生日には両親から大量に届く教材……。
息子の為を思ってくれているのだとは思いますが、ただただ「医者に育てる」と、躍起になっているだけかもしれません。
正直言って、もうため息しかでません。

まとめ

どんな職業でも、親や周りが操作してなれるようなことではありませんよね。そこには必ず本人の意思が必要なのですから。
孫に期待するのは自由ですが、その行為が周りを遠ざけてしまっていることに、早く気付いてほしいものです。

【体験者:30代・パート主婦、回答時期:2022年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。