知人のA子はスーパーで、「買ったものが腐っていた」とクレームをつける客に遭遇しました。通常なら交換や返金が行われますが、そのときの店員の対応は予想外のものでした。知人から聞いたエピソードをご紹介します。

怒る男性客に店員は?

「真っ黒なカニなんて食べられるか! 腐っているものを売るな! この店の品質管理はどうなっているんだ!」と、怒鳴る男性客。
男性客の訴えが本当ならお店は謝罪するところですが、詰め寄られている男性店員は、なぜか平然としています。

男性客のクレームを一通り聞いたあと、店員はゆっくりと口を開きました。
「冷凍のカニは解凍後に長時間おくと身が黒くなります。お客様は、どうやってカニを解凍されましたか?」

カニが黒く変色するのは、「黒変」と呼ばれる現象で、カニに含まれるアミノ酸の酸化が原因だそうです。
カニは流水でサッと解凍し、解凍後は早く食べるのが正解ですが、男性客は常温で自然解凍してそのまま放置していたのだとか。
カニの変色は解凍方法に問題があったのです。

諦めない男性客「交換しろ! 返金しろ!」

さらに店員は「黒く変色しても、お召し上がりいただいて問題はありません」と、説明していました。
男性客は「腐っている」と言っていましたが、食べても良いのだとか。
でも、見た目が悪いとおいしさも半減です。
男性客は黒いカニを食べるのが嫌だったようで「そんなことは知らなかった! 新しいカニと交換しろ! 交換できないなら返金しろ!」と、店員に迫っていました。

今回の場合、非があるのは男性客のほうです。当然ですが、交換も返金も不可。
店員は申し訳なさそうな表情を浮かべていましたが、頑として「NO」を突きつけていました。
男性客はゴネても要求が通らないとわかると「解凍方法なんて知るか! 不親切だ!」と言い捨てて去って行ったそうです。

その店員によると、冬場にはよく同様のクレームが寄せられるのだとか。
カニは高級食材なので、ショックを受けて強くクレームをつける客は珍しくないそうです。
皆様もカニを買ったときはお気を付けくださいね!

【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2023年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。