中3秋の進路相談
Aさんの息子は中学3年生。受験生の息子は、いよいよ本格的に志望校を決定する秋を迎えていました。「息子の進路は息子自身に任せる」と決めていたAさんは、これまでほとんど進路には口を出さず息子のことを見守ってきました。
そして中3秋の進路相談の日を迎えたAさん親子。「息子の口からはどの高校の名前が出るのかな?」と思っていたAさんは、息子の発言に心底驚かされることになるのでした。
YouTuberに俺はなる! 息子の高校行かない宣言
先生から志望校を聞かれた息子は「高校行かないでYouTuberになる!」と言い出しました。まさかの発言に先生もAさんもびっくり! これまでYouTuberに憧れている素振りがあったならまだしも、YouTuberになりたいなんて一言も聞いたことはありません。
「YouTuberになるんで、もう受験勉強はしません!」
勉強しない宣言まで飛び出した息子に対し、Aさんはオロオロするばかりでどう対応すべきかわかりませんでした。「息子の人生、息子の好きなように生きたらいい」と思っていたものの、やはり高校くらいは行くべきではないかと思っていたのです。
先生の金言! 高校は必要
息子の驚きの発言に対し、先生は落ち着いて言い聞かせてくれました。
「YouTuberになるからこそ高校は必要。高校行きながらでもYouTuberはできるし、ネタ探しのためにも高校には行った方がいい」
息子の「YouTuberになりたい」を否定することなく、そのために必要な道だと高校受験を提示してくれた先生。この先生の発言に息子の心も動かされたようでした。先ほどまで、もう勉強しないと言っていたのに受験に前向きになったのです。
YouTuberになりたい息子の進路
進路相談を終えて、先生の声掛けによって一気に受験に前向きになった息子。どうせ行くならレベルの高い高校に行きたいと言い始め、本来志望していた高校よりもワンランク上の高校を目指し始めました。
そして春、息子は志望校に合格したのです。今では高校生となり楽しい学校生活を送る息子は「高校行かないなんてありえない!」と言っています。
「YouTuberになりたい」が本気だったのか、受験のストレスに追い詰められてだったのかはわかりませんが、生徒の気持ちを尊重しつつ上手にやる気にさせてくれた担任の先生には感謝しかありません。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。