久しぶりの友人との再会は、積もる話ばかりで話題も尽きず、楽しいひと時となることでしょう。
筆者も久しぶりの友人との再会で、楽しい時間を過ごす予定だったのですが……。
そんなまさかな、筆者の実体験のお話をご紹介します。

何年ぶり!? 久しぶりの連絡に心躍らせる

私が20代後半の頃のお話です。
小学生の時に仲が良かったB美から、突然連絡が来ました。
B美は別の中学校へ行ったので、小学生の時以来会っていません。
そもそも私が携帯を持ち始めたのが高校生の時だったので、B美の連絡先など全く分かりませんでした。

そのため、B美からの連絡にはかなり驚いたのです。
それに対してB美は、

「会いたかったから、人伝いにあなたの連絡先を頑張って聞いてまわったの!」

そう言われて嬉しかったので、後日カフェで会うことにしました。

連れられたのはド田舎のレストラン。一体どうして??

当日、待ち合わせ場所にB美は車で来ていました。
久しぶりに会ったB美は凄く綺麗になっていて、今から沢山話そう! とワクワクしていたのです。

「カフェじゃなくて、行きたいお店あるから行こう!」

B美にそう言われたので了承したのですが、運転すること約1時間。
そこは全然行ったことのない田舎で、B美に連れられて入ったのは普通のチェーン店のレストランでした。

(カフェよりここに来たかったの?)

不思議に思いましたが、友達と楽しく話すのに場所は関係ありません。
とりあえず着席して、お互い近況報告で大盛りあがり!
30分ほど話すと、B美は突然、

「今一緒に仕事出来る人を探していて~」

そう話し出した途端、一気にその場の空気が変わったのです。

2人がかりで必死に説得してくるの、怖すぎるんですけど

B美が仕事の話をしだすと、突然B美の後ろから年上の女性が割り込んできたのです。
何事かと私は驚きましたが、女性はB美の職場の先輩だそうで、そのまま2人は楽しそうに話し出しました。
偶然出会ったのは別にいいのですが、なぜかそのままB美の横に女性も座って、一緒に仕事の話をしだしたのです。

B美達の話す「仕事内容」を聞いて、私はすぐに気付きました。
それは、当時流行っていた、ねずみ講そのものだったのです。
すぐにソレと分かった私は、とにかく絶対に断ろう! と必死になりました。
しかし2人がかりで必死に説得され、帰ろうとするも、

「今から事務所に行こう! 一緒にしたら絶対に楽しいし、絶対に損することはないから!」

とまで言われ、一向に帰してくれる雰囲気ではありません。
逃げたい一心で平然を装い、私が考えたのは……

ベタだけど、油断させて逃げる一択!

それはトイレへ行くフリをして逃げる、というものでした。

「もう少し真剣に話を聞きたいから、ちょっと一旦トイレ行くわ!」

逃げたい雰囲気を出すと絶対に離してくれなさそうだったので、あえて「すごく興味がある」という風に装いました。
笑顔で「少し待っててね」と伝えてトイレへ向かい、トイレ付近にいた店員さんにコッソリ事情を説明。
その店員さんに自分のコーヒー代分のお金を預け、そのまま逃亡することにしたのです。

田舎道なのでどこに何があるのかさっぱり分かりませんでしたが、とりあえず店から離れようと走っていると、運よくタクシーが!
急いでそれに飛び乗り、なんとか自分の住む地域まで帰ってくることが出来たのです。
B美からは物凄い着信が来ていましたが、そのままブロックしました。