離婚歴がある相手と結婚すると、「前妻と比較される」というリスクがつきまといます。バツイチの男性と結婚した友人も、姑から常に前妻と比較されて落ち込んでいました。ところが、そんな友人の前に意外な救世主が登場したのです。

バツイチ男性との結婚生活

A子はバツイチの男性と結婚しました。
最近は離婚する夫婦も増え、バツイチは珍しくありません。
夫は優しい性格だったし、前妻との間に子どももいなかったため、結婚を決断しました。
夫との幸せな新婚生活をスタートしたA子でしたが、そこに影を落とす存在がありました。
それは姑です。

姑はA子のことが気に入らないのか、前妻と比較してダメ出しばかりしてきます。
部屋を見ては「掃除が雑ね。前妻はチリひとつ残さなかったのに」と言われ、料理を作ると「前妻は料理が上手だったのに、あなたは……」とため息をつかれ、何をやっても前妻と比べられてけなされるのです。

夫に相談すると?

たまりかねたA子は、夫に相談しました。
ところが姑は、いつも2人きりのときに嫌味を言ってくるので、夫はその現場を見ていません。
姑は夫には優しいためA子の訴えにピンとこないようで「悪くとらえすぎじゃない? A子に良くなってもらいたいんだよ」「聞き流すのも処世術だよ」と、さらっと流されてしまいます。

夫が注意しないことで、姑の嫁イビリは大胆になってきました。
A子のことを前妻の名前で呼び、戸惑うA子に「あっ、間違えた。ごめんなさいね」とニヤニヤ笑ったり。
義母に誕生日プレゼントを渡したらビリビリと雑に開封して「ダサいわねぇ。前妻はセンスが良くて、いつもいいものをくれたのに。いらないわ、これ」と突き返してきたり。

「私はそんなにダメな嫁なの? ここまでされても聞き流せって言うの?」と、A子は夫に再び訴えましたが、夫は「A子は気にしすぎだよ」「たまたま母さんの機嫌が悪かったんじゃない? プレゼントは今度一緒に買いに行こう」と、A子が深刻に悩んでいることを理解してくれません。
事態は改善せず、ストレスを抱えたA子は離婚が頭をよぎるようになりました。

意外な救世主が登場!

姑が絡むと頼りないけれど、夫婦だけのときは優しい夫。A子は離婚に踏み切ることはできず、嫁イビリに1人で耐えていました。
そんなとき、遠方に住んでいる義妹が帰省してきました。
義妹に会うのは、結婚式以来です。『義妹からも前妻と比べられるのかな』と警戒するA子。
ところが、義妹は予想外のセリフを口にしました。

「お母さん、もう嫁イビリなんてしていないよね? お兄ちゃん、また離婚されちゃうよ」
義妹は、前妻との離婚は姑の嫁イビリが原因だったと暴露したのです。

前妻に比べて劣っていたわけではなく、姑は単純に息子に近づく女が気に入らなかっただけ。
A子は『これまでしてきた努力はなんだったの!?』と、怒りに震えました。

義妹の言葉で、嫁の立場が逆転

「なっ、何を言ってるの!?」と慌てる姑に、義妹は「嫁に嫉妬して意地悪して、また逃げられたらどうするの? お兄ちゃんがバツ2になったら、次の結婚は難しいよ。お母さんが一生面倒見るの?」と、口撃を続けました。
義妹は兄にも「しっかりしなよ。自分の嫁くらい、自分で守りな」と、ぴしゃりと言い放ったのです。

義妹の叱咤で、A子の立場は大きく変わりました。
姑はおとなしくなり、夫も「大げさに言ってると思ってた。ちゃんと話を聞いてあげなくて、ごめん」と反省してくれました。

A子から数々の嫁イビリを聞いた夫は、「そんなにひどかったなんて……」とショックを受けた様子。
「母さんとは冠婚葬祭以外で付き合わなくていい」と約束してくれました。
義妹のおかげで、平和な生活を手にすることができたA子。「義妹には感謝してもしきれない」と、語っていました。

【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2023年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。