離れて暮らす両親から、お米や食べ物など色々なものを送ってもらった経験のある人も多いのではないでしょうか。ありがたいですし、両親の愛情を感じますよね。今回は実家からの贈り物にまつわるトラブルに巻き込まれた経験のある筆者の知人、Hさんのお話です。

義実家は農家

Hさんが旦那さんと暮らす家からすぐ近くにある義実家は、もともと農家を営んでいました。

今では義両親しか農業をしないため農地を縮小し、自分たちが食べる分だけお米や農作物を作って、沢山とれたら親戚などにおすそ分けをしていました。

ある日Hさんが義両親の手伝いをするために義実家にいると、結婚して隣町に住んでいる旦那さんのお姉さんから電話がありました。

「ああHさん? あのね、お米がなくなったから送って欲しいってお母さんに伝えてくれない?」
義姉は挨拶もそこそこに、高圧的な調子で言いました。

米をねだる義姉に……

Hさんはムッとしながらも、外で用事をしている義母にそれを伝えました。
「去年の分はもうないから、新米が出るまで自分でスーパーとかで買ってって言ってくれる?」
義母がそう言うので、そのまま義姉に伝えました。

「はぁ!? そんなお金ないわよ! そっちで買って送ってってお母さんに伝えてよ! あと野菜も送ってよ、野菜くらいはとれてるんでしょ?」
どうやら義姉はいつもお米や野菜を義実家から送ってもらっていて、すっかりアテにしているようでした。

「いつもタダで送ってもらうのを当たり前に思っているんですね……隣町なんだから来ればいいのに」
電話を切ったあと、Hさんは義姉の様子をそのまま義両親に伝えました。

するとずっと黙っていた義父が電話を手に取り、どこかに電話をかけはじめました。
「ああ、〇〇(義姉)か? お前はひとつも顔も出さないのに、一体何をえらそうに言っているんだ! 野菜を育てる苦労も知らないだろ!」
いつも無口な義父がめずらしく激怒していました。

もちろん義姉には何も送らずにいると、数日後に義姉が子供たちをつれてご機嫌伺いにきたとのことです。

親しき中にも礼儀あり、いつもしてもらって当然という態度ではいけませんね。感謝の気持ちを忘れずにいてもらいたい出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。