筆者の友人A男さんは、母子家庭で育ったのですが……。
彼の複雑な心境の話をお聞きしました。
義父の話す真実に涙。俺は愛されてたんだ
義父は、母が掛け持ちしていた夜の仕事で出会ったお客さんだったそうです。
義父は母に惚れこみ、何度もアタックしましたが、
「一番大切なのは息子だから」
と、母は一切なびきませんでした。
それでも真意にアタックし続け、店に内緒で付き合うことになったのです。
義父が金銭の援助を申し出るも、母は一切受け取りませんでした。
しかし、母は働きすぎで身体を壊し始めてしまったのです。
「君の一番大切な息子は、君がいなくなると悲しむだろう!」
義父がそう叱って、母はハッと気付いたようでした。
母は義父自身にちゃんと惹かれていましたが、ずっと義父のお金目当てで付き合っていると思われたくなかったそうです。
そうして義父が「母とA男の面倒は、全て俺が見るから!」とプロポーズし、結婚することになったのでした。
「君の母はずっと、A男の為に生きてきたんだよ」
「俺は血が繋がってないけど、A男が病気やケガもなく大きく育ってくれて、今彼女も連れて来てくれて。心底嬉しいんだ!」
そう照れ笑いする義父の言葉で、A男さんは涙が止まらなくなりました。
義父も母も、ずっと優しくしてくれていたのは分かっていました。
そうやって自分を心底愛してくれていたのに、素直になれずに酷い対応をし続けた自分の行動を悔いたのです。
ですが、悔やんでも時間は戻らないので、自分に出来る事はただ一つ。
今後は素直に感謝を伝え、しっかり親孝行していこうと決意した出来事でした。
まとめ
お互いを思いやっていても、時にはそれがすれ違ってしまう事もあります。
そして大人になったからこそ、A男さんは義父の言葉がスッと胸に入ってきたのではないでしょうか?
過ぎた時間を悔いるのではなく、時間をかけて分かり合えたと思えたら、これからは素敵な時間が待っているはずです。
【体験者:30代・会社員、回答時期:2020年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。