部活動は子どもたちの活動ではありますが、場合によっては保護者の協力が不可欠です。筆者の友人・Oは、子どもが部活動に入ったことにより、トンデモない保護者に遭遇したと言います。子どもの部活よりも「あること」を優先した保護者の末路とは──?

部活動の送迎

私の息子は中学校でテニス部に所属しています。
息子の学校では、練習試合や大会など、生徒に移動が伴う場合は保護者が持ち回りで送迎を行うことになっていて、入部した際に何人乗りの車か、土日や祝日の送迎はできるかなどのアンケートに答えていました。

保護者同士が連携をとり、仕事や家庭の用事のある日を除いたローテーションが組まれていたのですが、息子と同級生のGさんという保護者だけは一度も送迎に参加していませんでした。

お願いね~♡

ある日、市の大会で優勝した息子の学校は県大会へ出場することが決まり、県内の大きなテニス場へ行くことになりました。
この施設までは車で片道1時間。
他の交通手段がないため、いつもよりも多い台数で保護者が送迎を担当することが決まったのです。

しかし、このときもGさんは不参加。
保護者同士で作成しているグループラインに「お願いね~♡」と一言のみ。
これにはどの保護者もみんな怒り出し、「あの人は何? 誰か理由聞いている人いる?」という話になりました。
おそらく仕事なのではないかと、このときは思っていたのですが……。

遭遇

大会当日、子どもたちを会場まで送った後、試合開始まで少し時間があるということで、送迎を担当した私たちは近くにあったコーヒーショップで休憩をしていました。
すると、そのコーヒーショップの前をオシャレしたGさんが歩いていくのが見えたのです。

私はとっさに店から出ていき、Gさんを追いかけると、何とGさんは若い男性と一緒に車に乗るところでした。
「Gさん!」と声を掛けると、Gさんは顔面蒼白。
「どうして?」とつぶやいて、その場に座り込んでしまいました。

本当の理由

その後、私たちはGさんに話を聞くことにしました。
実はGさんは浮気をしていて、旦那さんのいない土日に相手の男性と会っていたとか。
Gさんの旦那さんは平日休みのため、浮気相手と会えるのは週末のみ。
そのせいで送迎ができなかったと言いました。
その日も、子どもが試合で出かけるのを良いことに、男性と会う約束をしていたそうです。

しかし、近くのテニスコートに子どもたちが来ていることも知らず、安心しきっていたところに私たちと鉢合わせしてしまった……この理由に私たち保護者はあ然としました。
部長の保護者で会長のBさんが「G君には全く罪がないから、G君の送迎は私たちで担当します。ただ、あなたのそういう態度は、同じ部活の保護者としてどうかと思いますよ?」というと、Gは平謝り!
「うちの夫には言わないでください! 息子にも黙っていてください! 今までの分、これからは協力しますので!」と猛省していました。

その後

その後、Gさんは必ずといって良いほど、送迎の車を出してくれるようになりました。
もともと、土日は自分の仕事がお休みで、送迎には問題がなかったとのこと。

どうやら浮気相手とも別れたらしく、何とか息子さんや旦那さんにもバレずに済んだようです。
偶然っていうのは怖いものですね。
今回のことで、悪いことはできないものだと思いました。

【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。