昔は、当然のように自治会に入っていましたが、今は加入者がどんどん減少しているんだとか。筆者の地域も、自治会主催の運動会や地域清掃がなくなりました。そこで今回は筆者の友人K子から、自治会にまつわるトラブルを聞いてきました。

防犯の観点から自治会に加入

K子は2人目を出産後、ファミリー向けの賃貸マンションに引っ越しました。

2年ほど経ったころ、大家から「来月からマンションの住民は自治会に入ります」と連絡がきました。

事情を聞くと、今は地震や台風などの自然災害がたくさん発生しているので、防犯のためにも自治会に入るとのこと。

K子たち住民も、もしもの時にご近所で助け合えることはいいことだと加入に賛成しました。

突然、敬老のお祝いの集金が回ってくる

自治会では、地域清掃や防災訓練・子どもたちの登下校の見守りなどが行われていました。

基本的に、お仕事をしていない高齢の方が中心となって動いてくれたので、K子も全く負担に感じていませんでした。

しかし9月の始め、突然自治会の方が「敬老のお祝いの集金にきました」とやってきたのにはびっくり!

どうやら自治会の加入者で70歳以上の方には毎年、お祝いの品を渡しているとのこと。

K子は心の中で『顔も名前も知らないご老人に1000円払うのかぁ』と思ったのですが、普段、自治会の活動に携わってくれている方々だから……と一応は、気持ちよく支払いました。

長寿のお祝いまで!? 支払いを断ろうとすると……

それから3年後、自治会の規約が変わり『90歳を超えた方には、敬老のお祝い以外にも、誕生日に長寿のお祝いを渡す』ことになったのです。

K子のマンションにも3〜4ヶ月に1回のペースで集金が回って来るようになりました。

自治会費も毎月払ってるのに、長寿のお祝いも払うなんて……子育て世代には何もしてくれないのに? と不公平感を抱いてしまったK子。

支払いを断ろうとすると、集金に来た人から「そんな人は初めてだ!」と怒鳴られました。

自治会運営の難しさ

K子は夫に、自治会の人とのやり取りを伝えました。

すると夫も「これから教育費もかかるから、今後も支払い続けるのは厳しいよね」と、K子家族はマンションの退去を決めました。

もちろん長生きして健康であることは素晴らしいと思いますが、自治会に老若男女問わず様々な加入者がいるのであれば、他の世代のためにもなるやり方があったのではないかと思ってしまいますね。

また時には、善意からの支払いがいつしか義務化してしまうことの恐ろしさも感じました。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2022年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:広田あや子
教育関係のキャリアを経て、ライターに転身。実体験に基づく記事は、「真実は小説より奇なり」を痛感し、体験者へのヒアリングを通じての執筆に特化。プレママ・ママを対象としたサイトを中心に執筆し、特に義実家トラブルネタを得意とする。