高齢の乗客や障害のある乗客などが優先的に座れる座席ですよね。
もちろん、優先的に座れる対象には妊婦さんも入っていますが、なかには妊婦さんに冷たい態度をとる乗客も。今回は筆者の友人から聞いた、電車トラブル話をどうぞ。
妊婦
これは、妊婦の私が先日遭遇したびっくりしたお話です。
私は、妊娠して5週目ころからとにかく悪阻が酷くて仕方ありませんでした。
特に【吐き悪阻】の症状にかなり悩まされ、そのころはあまり食事も喉を通らないほど。
炊き立てのご飯の香りや柔軟剤の香りで吐き気が襲ってくることもあり、いつでも、どこにいても体調を崩してしまいがちに。
お腹のなかにいる赤ちゃんに何か悪影響を及ぼさないか、心配でたまりませんでした。
電車
そんななか、いつものように産婦人科の定期検診を受けるために、電車に乗ることに。
はじめは耐えられていたのですが、電車特有の匂いに体が反応し、またも吐き気を催してしまったのです。
そこで、体調を優先して優先席に座ることに。
すると、次の駅で乗車してきた50代くらいの女性に厳しい言葉をかけられてしまったのです……。
「何で若いのに優先席に座ってるの」
「早く私に席を譲りなさい!」
優先席
そのとき私はまだ体調が悪かったので、カバンにつけていたマタニティマークを見せて、妊婦であること、体調が優れず座っていることを伝えました。
でも、女性はひくどころか私を馬鹿にしてきたのです!
「妊婦だからって甘えてるわ」
「母親がこんなに弱くて、赤ちゃんがかわいそうね(笑)」
救世主が!
想定しなかった冷たい言葉に泣きそうになっていると、助け舟を出してくれたのは私の斜め前に立っていた30代くらいの女性。
「それだけ人を馬鹿にする元気があるなら立っていればいいじゃないですか」
そう、私を嘲笑ってきた中年女性にビシッと言ってくれたのです。
中年女性は真っ赤になって今にも怒鳴り声をあげそうでしたが、ほかの乗客からも冷たい視線が送られていることに気づいた様子。
その中年女性も座りたかった理由があったのかもしれませんが、『何なのよ、もう!』と捨て台詞を吐いて別の車両に移っていきました。
その後、助けてくれた女性に感謝の気持ちを伝えると『私も妊娠中悪阻に苦しんだの』『体を大切にしてね』と温かい言葉をかけてくれて、ほっこり。
あれから時は経ち、もう少しで生まれてくる我が子のためにも、体第一で過ごそうと思っています。
【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。