離婚や再婚は当人同士の問題ですが、周りの家族も巻き込まれたいへんな思いをすることってありますよね。これは筆者がそのたいへんさを実感した背筋も凍る恐ろしい話です。

AちゃんとTちゃんの名前の読み方がとても似ていたのです。

夫を含め、夫の家族はものすごく適当な性格の集まりのような家族でした。

そして、私の不安は見事に的中。

義兄の再婚が決まり親戚で集まった際、Tちゃんの名前を呼ぶときに夫は元嫁のAちゃんの名前を呼んだのです。

一瞬その場が凍り付きましたが、夫は間違えたことにも気付いていない様子で、私は隣でどうフォローしていいのかあたふた。

焦っていたところ、次には義父までもがまた名前を呼び間違えたのです。一度ならともかく二度目となるともう誤魔化すこともできず、私は一人で冷や汗をかいてしまいました。

幸い、Tちゃんはそこまで気にしていないようで安心しましたが、夫の家族は大胆にも間違えたことを笑っているという始末です。

場を凍らせる天才!?

しばらくして、ようやく慣れて名前を呼び間違えることもなくなってきた頃。

私たち夫婦と義兄夫婦におめでたが続きました。同時期に妊娠が判明したのです。予定日も近かったので一緒にベビー用品を見に行っていたときのことです。

元嫁が親権を持って育てていましたが、義兄には初婚のときに子どもが1人いました。

ベビー用品を見るのも買うのも初めてではない義兄は出しゃばらなくていいところを、やたらとはりきって使い方など知っていることを熱弁し始めたのです。

私はTちゃんの反応が気になり焦っているのに、夫はというと「さすが!」などと持ち上げ、兄弟で全く空気を読めていませんでした。

悪気はないのでしょうが、私一人が気疲れし、凍り付く場を和ませることに必死でした。Tちゃんが気にしていないことを祈るばかりです。本当にやめてほしいと思った出来事でした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2011年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kumi.M
保育士歴25年。ママたちの修羅場、バトルを多数目撃し、その経験を元にコラムニスト活動をスタート。アラフィフ主婦となった現在は、ママ友・育児・嫁姑問題などを、幅広い人脈を駆使してインタビューを行い、執筆する。