一人暮らしの高齢者は年々増加傾向にあります。自分では体調の変化に気づかず、病気や認知症が知らない間に進行してしまうことも少なくありません。これは介護施設で働いた経験を持つ筆者が、一人暮らしの異変に気づき大きな事故になる前に対処できた出来事です。

常連のお客さんに感じた違和感 

Aスーパーの常連のお客さんの斎藤さん(仮名)は、いつも電動自転車で来て5㎏のお米を買い自転車の後ろに載せて帰っていました。

90代と思われる斎藤さんはお米を自転車に載せるとふらつき、見ていていつも心配でした。

話によると斎藤さんは一人暮らし。

なのに毎週のように5㎏のお米を買いに来ることに、私は違和感を抱き始めていたのです。

早期の対応で大きな事故を防げた

一人暮らしの高齢者のお米の消費量が、このように多いはずがありません。

話をしていてもつじつまが合わないことが増え、「もしかして認知症なのでは」と不安を感じました。

私が店長に斎藤さんの話をしたところ、斎藤さんの娘さんを知っているとのことで連絡を取ってくれました。

娘さんが家を訪ねると、大量の米袋のほかにも食べきれない量の食品であふれかえっていたそうです。

家の様子に驚いた娘さんが斎藤さんを病院に連れていくと、やはり認知症でした。

すでに一人で暮らすのは危険な状態だったので、斎藤さんは施設に入居することになったのです。

出すぎたことをしたかなとも思ったのですが、早期の対応が大きな事故を防ぐことを実感した出来事でした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。