知人のA子はある日、自宅の駐車場に迷惑駐車をされてしまいました。A子の自宅があるのは閑静な住宅地で、迷惑駐車をされるような場所ではありません。彼女が原因を調べると、意外な理由が判明したのです。

近所に隠れ家風レストランが開店

A子の近所には、しらばく空き家だった一軒家がありました。
ところが住人が決まったのか、急にその家に人の出入りが多くなったのです。
A子や近所に引っ越しの挨拶はなく、近所の人たちも不思議に思っていましたが、後日その家の実態がわかりました。
看板を掲げない、隠れ家風のレストランだったのです。

A子が住んでいたのは、一般住宅が密集してる静かな住宅地。
車道も狭く、近くに飲食店もない場所です。
その隠れ家風レストランも一般住宅をリフォームしたもので、駐車場も普通車がぎりぎり2台が駐車できる程度の広さでした。
駐車場が足りないようで、入れない車が付近をうろうろしていていて、A子は迷惑に感じていました。

自宅に知らない車が停まってる!?

ある日A子は、自宅の駐車場に見慣れない車が停まっていることに気付きました。
その車はエンジンをかけっぱなしで、中に人もいます。
自宅から車の中を観察しましたが、何か良からぬことをしている様子はありません。

警察に通報しようか迷っていたら、急に車が出ていきました。
そして、隠れ家風レストランに入っていったのです。

謎の車の正体は、レストランの駐車場が空くのを待っていた客でした。
レストラン付近は、駐車禁止です。また、車道も狭いため、道脇に停止して待つこともできません。
困った客は、たまたま空いていたA子の駐車場で待機していたのです。

レストランオーナーに苦情を入れると

A子は怖くてその場では注意できませんでしたが、証拠となる写真を撮影していました。
A子は、その写真を見せながらレストランの店主にクレームを入れることにしたのです。

ところがオーナーは「それは客側の問題で、私には責任はない」と言い放ち、まともに対処してくれません。
オーナーの無責任な態度にキレたA子は、「こっちは迷惑しているんです! 駐車場がいっぱいなのは今日だけじゃないですよね!? また起きたらどうするんです?」と訴えました。

するとオーナーは「日中に駐車場を貸してくれませんか? 謝礼は支払います」と、まさかのお願いをしてくる始末。
トラブルになりそうな予感がしたため、A子はその申し出を拒否し、何かしらの対応をお願いしてお店を出たのです。

その後、レストランはどうなった?

他の住人からもクレームがきたのか、それ以降、お店の1台分の駐車場に縦列で2台の車を停めるようになりました。
ところが、無理やり停めているので車道に車がはみ出しています。
それを確認したA子は、警察に即通報することに。

警察から注意されたのかオーナーはようやく少し離れた場所に駐車場を借りるようになりました。
これで迷惑駐車問題は解決したそうです。

駐車場問題で、その隠れ家レストランは近隣住民から厳しい目を向けられることになりました。
何か理由があったのかもしれませんが、A子は「ケチらずに最初から借りておけばよかったのに」と思ったそうです。

【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。