結婚話と離婚話。両極端の出来事が一家の中で同時に進行していたら? 直接聞くにも聞けなくて、これほど気を遣うたいへんな結婚準備はもう懲り懲りです。これは筆者自身の結婚式のときの話です。

結婚と離婚が同時に!?

これは20年ほど前の私たち夫婦の結婚式のときの出来事です。
結婚式からさかのぼること半年、私たちの結婚式の日取りなどが決まった頃のことです。

義兄(夫の兄)夫婦の間では喧嘩が絶えず、傍目に見ても不仲な雰囲気が漂っていました。夫婦には2歳になる娘ちゃんもいたので、義兄は何とか夫婦仲を修復しようとしているようでしたが、義姉の意志は固く、離婚の話も出てきていました。

私たちの結婚式が近づくにつれ、いよいよ本格的に離婚の話し合いが行われていました。
夫の実家では、結婚式の打ち合わせをしている一方で、離婚の話し合いが行われているという何とも険悪なムードでした。

出席するの? しないの?

義兄夫婦の離婚は私たちにはどうしようもできないし、2人の問題なので仕方ないのですが、
結婚式の準備を進めていくうちに、いろいろ問題が出てきたのです。

私たちの結婚式には3人で出席するのかしないのか? 席次表を作成するにあたって義姉と姪っ子の席はどうするのか? 料理は注文するのか?

印刷物の締切もあって、直接聞きたいけれど聞きにくく、返事も曖昧なままで本当に困りました。

離婚は結婚式が終わってから!

夫の両親から、「離婚するにしても縁起が悪いから私たちの結婚式が終わってから」と言われていたので、一応結婚式には義理兄家族3人の席を準備し、姪っ子にはプレゼントも用意しました。

ですが結局、結婚式当日義姉は欠席。そして義姉は、結婚式が終わってからと言われたのが余程待ちきれなかったのでしょう。

結婚式と披露宴が終わるのを待って、その直後に離婚届を提出したのです。

私たち夫婦が結婚したその日に離婚した義兄夫婦。当時は今より離婚に対する目が厳しかったからか、義両親は「縁起が悪いにも程がある!!」と怒っていました。

私たちの結婚記念日は義兄のバツイチ記念日ということで、今となっては笑い話ですが、当時は何かとたいへんでした。よほど離婚したかったのでしょうし、離婚する自由はあるかもしれませんが、結婚も離婚もふたりだけの問題ではないということですね。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kumi.M
保育士歴25年。ママたちの修羅場、バトルを多数目撃し、その経験を元にコラムニスト活動をスタート。アラフィフ主婦となった現在は、ママ友・育児・嫁姑問題などを、幅広い人脈を駆使してインタビューを行い、執筆する。