子育ては十人十色。それぞれの家庭で違って当然で、これが正しいというものはありません。
しかし、知人のN代はかつて「世間体」を最優先した育児をした結果、今では深い後悔の念に駆られているようです。今回は、N代に話を聞かせてもらいました。

夢を諦めさせられたT男は、次第に心の支えを失い、やがてその職場を退職して行方不明に──。

数年後、突然T男がN代のもとに戻ってきたとき、彼の姿をみてN代は安堵しました。

しかし、同時にT男は驚くべき事実を打ち明けました。

「実は、ギャンブルに手を出して、多額の借金を抱えているんだ」と。

N代はショックを受けましたが、息子を助けるためには自宅を売却せざるを得ませんでした。

このとき初めて、N代は「子どもは親の思い通りにはならない」という現実に直面したのです。

世間体よりも大切なもの

彼女なりに息子の将来を思っての行動だったのかもしれませんが、結果的にはT男の夢や意志を押しつぶしてしまうことに。

子育ては本当に難しいものですが、N代の話を通して、「世間」を気にするよりも、目の前の「子ども」としっかり向き合うことが何より大切なのではと考えさせられました。

【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。