飲食店などでキャッシュレス決済をしようと思ったら、会計時に現金のみであるとわかって焦った経験のある人もいるのではないでしょうか。今回はキャッシュレス決済ができないお店で意外な嫁姑トラブルに直面した経験のある筆者の知人Eさんのお話です。

姑にランチに誘われて

Eさんは当時、旦那さんと小学生の息子との3人暮らし。家計のために週に3回のパートを始め、家事に育児に仕事にと忙しい日々を送っていました。

「Eさん、パートが休みならランチに行かない?」
ある日Eさんは近所に住んでいる姑に誘われて、近くの和食屋でランチをすることに。その店は姑の行きつけの店で、月に2~3回はそこで食事をしているというのです。

姑は近所でも有名な倹約家、というかドケチのたかり体質。孫に渡すお年玉すらケチり、何かにつけて息子夫婦にたかってくるのでEさんは少し距離を置いて付き合っていました。

ちょっとお高めなその和食屋が本当に姑の行きつけなのかは怪しいところですが、しばらく義実家に顔を出していなかったこともあり、Eさんはランチに行くことにしました。

姑のおごりのはずが……

「今日は私のおごりだから好きなものを食べなさい」
ケチな姑には珍しい発言。
「やったー! お母さんありがとう!」
義実家に同居していて、姑そっくりのドケチで無職の義妹も姑の運転手としてやってきたため、3人でおいしい和食に舌鼓を打ちました。
「さて、そろそろ帰りましょうか」
Eさんが伝票を見ると、ランチにしては結構なお値段。しかし姑のおごりなのでEさんはごちそうさまでした、と姑にお礼を言って立ち上がりました。

「えー! カードが使えないなんて知らなかったわ」
会計時に姑が突然レジで大声を上げたため、Eさんはびっくり。
「現金なんて今日持ち合わせてないし……」
「私もよ」
姑と義妹がチラチラとEさんを見ています。これは自分に払わせようとしているのだと感じ、Eさんは仕方なく財布を開きました。
「さすが! パートに出てるって聞いたし、やっぱりお金に余裕あるんじゃない」
Eさんは会計を済ませ、姑と義妹を置いて店を出ました。
「Eさんごちそうさまー!」
Eさんに続いて出ようとした姑と義妹は、店員さんに止められました。
「あ、お客様のお会計はまだです」
「え!?」
実はレジの人に頼んで個別会計にしてもらったので、Eさんが払ったのは自分の分だけでした。
そのままEさんは帰宅しましたが、後から旦那さんに聞いたところによると姑と義妹は渋々自分たちの分を現金で支払ったとのこと。

そして「お前の嫁はケチ! パートに出てるんだから昼飯くらいおごれ!」と旦那さんに電話をかけてきました。

それを聞いたEさんはそれから何度姑に誘われても、二度と食事には行かないと決めたそうです。

パートに出ているからと言って、奢らなければいけない理由にはなりませんよね。
奢ってほしいのであれば最初からそう言っていたら違ったかもしれませんが、人のお金をあてに贅沢することはあまり良くありませんね。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。