子どもたちが家庭とは違った顔を見せ、学校の雰囲気もわかる学園祭は、親子共に楽しみな学校行事の一つではないでしょうか。
ところが、時間をかけて準備してきた学園祭が中止なんて事態に陥ったら、大きなショックを受けますよね。
これは、筆者の知人女性の体験談です。
救世主のA先生
これならば学園祭は開催できるのではないかと、息子たち実行委員が高校に行き、せめて1日だけでも学園祭ができないかと校長先生に交渉しました。
校長先生の回答は、「一度決めたことは変更できない」でした。
実行委員の生徒たちは辛抱強く校長先生にかけあったのですが、答えは変わりません。
「もう無理かも」と絶望的な空気が流れ始めた時、登場したのは体育教師のA先生。
A先生は生徒達に加勢してくれて、「生徒達に学園祭をさせてください」と頭を下げてくれたのです。
校長先生は実行委員の生徒たちとA先生の熱意に心を動かされ、職員会議を開いてくれました。
学園祭の中止を取り消し、そのうえ日程を1週間ずらし、翌週に2日間開催する決定をしてくれたのです。
思い出に残る学園祭に
「学園祭の準備を通してクラスが一つになっていくのが嬉しい」
「大好きなクラスのみんなのために学園祭を成功させたい」
時には仲間とぶつかりつつも、みんなとの高校生活の思い出作りのために、毎日遅くまで高校に残って準備していた息子。
そんな息子の姿を見ていたので、学園祭が中止にならなかったことが、私も涙が出るくらい嬉しかったです。
教師をしている友人に聞いたことですが、年度初めに決めた学校行事の予定の日にちを変えることは、とても大変なことだそうです。
生徒の思いを汲み取り校長先生に頭をさげてくれたA先生、学園祭の日程変更を決定してくれた校長先生はじめ、諸先生方には感謝しかありません。
一度は諦めた学園祭でしたが、一生忘れられない思い出になりました。
【体験者:40代・会社員、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。