残された女の気配
ある日、夫の車にポーチを置き忘れた私。その時夫は留守だったので、部屋にあった鍵を借りて車中に入りました。
「ふっくら艶めく唇に……?」
なんと助手席に、色つきリップクリームが転がっていたのです。明らかに私のものではなかったので、帰ってきた夫に「これは何?」と問い詰めました。
「俺、最近仕事のしすぎで顔色悪いだろ? だから買ってみたんだ」
「へぇ~」
すぐに不倫を疑った私でしたが、その時は認めたくなくてスルーしました。しかし、すぐに決定的な証拠を発見することになります。
しょうもない言い訳
リップクリームのほとぼりが冷めたころ、私は夫の車をこっそり調査。
そこで次々と不倫の跡が出てきたのです。
「ねぇ、さすがにこの金髪の長い髪の毛はありえないでしょう?」
「いや、そんなのハロウィンで仮装した時に使ったウィッグのだろ。」
本当に最低な言い訳。しらばっくれる夫に、私は会心の一撃を喰らわせます。
「じゃあこれは? くだらない嘘つかないでよ!」
私は夫に車内に落ちていたある写真をちらつかせました。
「そ、それは!」
私の手には金髪の若い女性と夫が抱き合っている写真。
慌てふためく夫は、言い逃れができなくなってしまいました。
夫がルンルンだった理由は、陰で浮気相手とイチャイチャしていたから。
私を褒めてきたのも、不倫を疑われないようにするためだったのでしょう。
もともと冷え切っていた夫婦関係は、これを機に離婚へのカウントダウンが一気に加速したのでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2022年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。