最近ではペットを失った悲しみから精神的・身体的に不調が起きるペットロスという言葉が浸透していますよね。ペットは家族の一員ですから、落ち込むのは当然です。今回はそんなペットロス中に心ない言葉をかけられた経験のある筆者の知人Yさんのお話です。
「ええ、なんとか……」
青ざめた顔をしたYさんを見て、Kさんはあきれたように言いました。
「いつまで落ち込んでるの、次の子を買えばいいじゃない!」
「え?」
「ほら早く、ペットショップ行きましょ!」
Yさんは耳を疑いました。Yさんにとって亡くなった愛犬はかけがえのない存在で、代わりなどはいません。
それに今はとても新しい犬を迎えることなど考えられなかったのです。
「犬なんていくらでもいるじゃない。ね、だから行きましょ」
「悪いけど、帰って」
励まそうとしてくれたのだとは思いますが、同じ愛犬家とは思えないKさんの発言に、Yさんはげんなり。ペットショップはお断りし、それからKさんとは距離をおいたそうです。
ペットは家族と同じですから、代わりがいなくて当然です。すぐに代わりの犬を飼ったとしても、悲しみは埋められませんよね。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。