子どもから「美容整形をしたい」と言われたら、どう対応しますか? 知人のA子は娘から二重まぶたの美容整形を希望され、「人は中身のほうが大事」と教え諭しました。ところがそれを聞いたA子の娘は、母親に驚くべき言葉をぶつけたのです。

娘に指摘された内容にドキッ!

A子はテレビに出る芸能人を見て「かわいい」「目がぱっちりしてお人形みたい」と褒めたり、「この二世タレント、親のほうが美形ね」と言ったりと、家族の前で容姿に対する批評を口にしていました。
また、娘のクラスメイトの写真を見て「スタイルがいいわね」と言ったり、「この子イケメンね、モテるでしょ」言うこともありました。
娘はその発言を指摘してきたのです。

A子は、自分が日常的に容姿の感想を口にしていたことに初めて気づいて、ハッとしました。
A子は見た目を否定する発言はしていなかったものの、褒める言葉も裏を返すと危険なこと。
娘は母親の言葉で、「かわいいほうがいい」という考えを持ってしまいました。
A子がいくら「外見よりも中身のほうが大事」と言っても、普段の言動を振り返ると、きれいごとにしか聞こえなかったのです。

自身に根付いていたルッキズム

A子は自分の言動を反省し、「お母さんが間違っていた。ごめんね」と謝りました。
希望する二重整形に関しては、十代の美容整形はリスクがあることを伝え、娘自身もそれほど深刻に悩んでいるわけではなかったため、いったんは保留することに。
また、「本当に悩んでいて整形をしたいなら、お母さんが一緒に病院に行くから」と、娘の意見を尊重する言葉も添えました。

普段の何気ない言葉で、子どもの価値観に影響を与えることに気付いたA子。
それ以降、子どもの前で外見で判断する発言をしないと決め、夫にも注意を促しました。
A子は、知らず知らずのうちに自身にルッキズムが根付いていたことがわかり、ゾッとしたそうです。

【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。