運動会の季節がやってきました! 子どもが一生懸命頑張る姿を目に焼き付けにいくはずなのに、予想外の事態になるご家庭もあるかもしれません。今回は、筆者の知人Dさんが経験したズッコケ運動会エピソードをご紹介します。

保育園が大好きなDさんの息子

Dさんには3歳の息子がいて、毎日保育園に通っていました。いつも保育園から帰ってくると、その日の出来事を身振り手振りを交えながらたくさん話してくれました。「ぼくね、先生のところ(=保育園)だいすき!」と言いながらいつも楽しそうに話してくれるので、Dさんも安心して通わせていました。

運動会が楽しみで仕方ない!

3歳児は幼稚園でいうと年少さんにあたる学年で、Dさんが利用している保育園では、3歳児から少し難しい演技を披露するようなプログラムになっていました。
夏あたりから運動会の練習が始まっていて、「今日はこんな動きをやったんだよ!」「見て見て! こんなのやるんだよ!」と、覚えたての動きや体操の技をリビングで披露してくれていました。
今までの運動会は親子競技として一緒に参加していたので、今年から一人で種目に参加することになり、息子自身もすごく楽しみにしていました。

当日、何やら様子が……?

迎えた本番当日、会場入り口で元気よく「行ってきまーす!」と言う息子と別れました。最初の出番は4番目の徒競走で、息子の順番がそろそろ来るかなと思っていたら、どこからか男の子が泣いている声が聞こえました。(あ〜お父さんお母さんと離れて本番で泣いちゃう子、いるよね〜)と思っていると、とうとう息子の順番がやってきました。すると、息子が大泣きでスタートラインに立っているではありませんか!
え、さっきまであんなにニコニコだったのに!? とDさんをはじめ、夫や一緒に来ていた義両親までビックリ。そして、それまで泣きながらもキョロキョロしていた息子がこちらを見て、Dさんたちがいるのを見つけました。そして、よーいドン! の合図と共に、あろうことかゴールテープの方ではなく、Dさんめがけて泣きながら走ってきたのでした。これにはDさんも夫も義両親も「えー!」と大きな声を出してしまいました。
その後も体操の演技などありましたが、みんなと一緒に配置につくことは出来ても、ずっとその場で泣き続けていたのでした。

結局、運動会の最中に息子が泣き止むことはありませんでした。運動会が終わってから話を聞いたら、知らない大人たちに囲まれた中で競技をすることが怖くなってしまったのだそうです。運動会で思うように競技ができなかった代わりに、運動会2日後の夕方に自宅に義両親を呼んで、息子一人だけの個別運動会を開催しました。思う存分ダンスしたり廊下を勢いよく走ったりと、いつもの生き生きとした息子だったので良かったのですが、来年の運動会では息子のたくましい姿が見れるといいなと、切に願うDさんなのでした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2023年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:南さおり
読者モデルを経て、ライターに転身。仕事柄、美容や装いにこだわる女性たちの心理やリアルに興味を持ち、取材。結婚・出産を機に現在は、育児をしながら、女性としての美や健康も両立する女性を主な取材対象に、いつまでもきれいで美しい人生を送るための秘訣をリサーチし発信する女性向けコラムニスト。女性の人間関係に注目した記事も人気。