女社会だからこそ結束することもありますが、そうでない場合を考えるとゾッとしてしまうかも。
今回は筆者の知人A子さんから聞いた出来事をご紹介します。
夢だった仕事を頑張るぞ! それなのに……
A子さんが新卒で入社したのは、憧れのデパコスの会社でした。
そこでBA(ビューティーアドバイザー)として勤務することになり、充実した毎日を送っていたのです。
しかし、一つだけ悩みがありました。
店長が、A子さんにだけ異様にキツイのです。
「センスのないBAに接客されて、お客様が可哀想~(笑)」
嫌味や雑用を押し付けられるのは当たり前で、周りも店長を恐れているのか知らん顔。
A子さんは、どんどん精神的に追い詰められていきました。
もう限界。悔しいけど本当に辞めたい
そうして1年後、新入社員のB美さんが入社してきました。
かなり年上の女性でしたが、年齢を感じさせないほどの美人。
仕事を覚えるのも驚きの早さで、さらに明るく優しいという、非の打ち所がない女性でした。
一緒に楽しく働いていたのですが、店長はそんなB美さんとA子さんを比べるようになっていきました。
そうして店長からのあたりはもっとキツくなり、本気で辞めようか悩んでいた時、最悪の事件が起きたのです。
それは店長がお休みの日、店長のお得意様が来られたので、A子さんが対応することに。
お客様はA子さんの接客に大満足されて、沢山購入して帰られました。
翌日それを知った店長は、
「人の客取るとかありえないんだけど! 調子乗んなよ!!」
店長は顔を真っ赤にして罵倒してきたので、A子さんは思わず涙が流れました。
(もう無理だ。本当に仕事辞めよう)
A子さんが心の中で決意すると、救世主が現れたのです。
まさかの救世主に驚き!
そこに現れたのはB美さんでした。
「A子さんの接客ってかなり丁寧ですよね。私はA子さんを尊敬しています。」
「そんなA子さんだけキツくあたるのはどうしてですか? 店長は、周りのスタッフが萎縮していることに気付いていますか?」
店長は怒りで震えていましたが、それ以上にB美さんが怒っていたようで、
「これってただの職場いじめですよね? 恥ずかしいと思わないのですか?」
店長は何も言わず、大きなため息をついてその場を離れていきました。
その後職場はかなり気まずい雰囲気になっていましたが、
「A子さんが辞めたい気持ちは分かるよ。でもあと1ヶ月だけでいいから、一緒に頑張らない?」
B美さんがそう言ってくれたので、なんとか頑張る事が出来たのです。
まさかの事実に驚愕!! 助けてくれて本当にありがとうございます(涙)
そして1ヶ月が過ぎて、出勤すると何故か店長がいません。
「実は店長は、今月度から異動の予定となっていました。でもそれが決まった途端に怒って『こんな職場もう辞めるわよ!』と急に退職されることになりました」
そう冷静に話すB美さん。
実はB美さんは、若い頃に本社の人事部で働いていた人だったのです。
色んな事情で一度は退職したものの、「どうしても現場に出てみたい」と本社に相談し、A子さんがいる店舗で働くことになったのだそう。
そして周りに先入観を持って欲しくなかったので、勤務経験を秘密にしていたとのことでした。
「横暴な店長見てたらこれは良くないと思って、我慢出来なくて。人事部の同僚に相談したのよ」
「A子さんは本当に素晴らしいBAよ。これからも一緒に頑張りましょう!」
そう笑って話すB美さんに、心の底から救われたのでした。
まとめ
店長にも何か理由があったのかもしれませんが、それが何であっても職場いじめをしていい理由にはなりませんよね。職場で合う合わないは、男女関係なくあることです。
それでもこんな方が同僚にいてくれたら、心強いこと間違いなしですね。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2021年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。