でも、少し別の視点に立って考えると、気づかされることもあるようで......。
筆者の知人から聞いたお話をご紹介します。
配送業務に励む男性
これは最近、仕事中にあった、ハッと気づかされた話です。
私はこの春から、とある配送業者に入社したばかりの新入社員。
主な仕事は宅配で、毎日たくさんの荷物を届けています。
最近『時間指定しているのに不在のケースが多い』ことに悩んでいました。
不在だと後でまた配達しに行かなければならないので、時間のロスが気になっていたのです。
そのため、不在が何件も続くと『ちゃんと受け取ってよ~』とイライラすることもありました。
とあるお宅で
そんなあるとき、とあるお宅に荷物を配達しに行きました。
そのお宅は時間指定しているにもかかわらず不在の割合が高く、少し厄介に感じるお宅の1つでもありました。
チャイムを鳴らすと
「少し待ってくれる?」
との女性の声が。
『今日は再配達せずに済むな』とほっとして待つこと3分。
「え、いつになったら出てくるの!?」
そう、ずっと外で待たされ続けていたのです!
まだ配達物もたくさんあり、だんだんイライラしてきた私。
もう一度チャイムを押そうと手を伸ばしたら......。
すぐに出れなかった理由とは
「遅くなってごめんなさい」
「いつも再配達頼んでて悪かったねえ」
そう80代くらいの女性が出てきて、何本もの飲み物が入った重い袋を渡してくれたのです!
「足が悪くて毎回すぐに玄関まで行けなくて」
「いつもお兄さんが届けてくれているの知ってるよ、本当にありがとう」
「暑いなか大変でしょう、冷やしてあるから飲んでね」
と言って、大量の差し入れをしてくれました。
相手の事情も考えるように
どうやら、いつもチャイムが鳴ってすぐ出ようとしているようですが、うまく歩けずようやく玄関に出たときには不在票が入っているのだとか。
再配達は時間によって別の社員がすることも多く、足が悪いなど知らなかった私。
『受け取りたくてもすぐに受け取れずに不在になってしまう人もいる』と学び、それからそのお宅はゆっくり待つようにしています。
【体験者:20代・男性配送業、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。