妊娠中は、体だけでなく心にも大きな負担がかかるもの。
特に初めての妊娠では、何が正しいのか迷うことも多いですよね。
そんな時、自分の考えを押し通す姑に、こちらの事情を無視して強く言われるのは本当に辛いものです。今回は、知人K子が妊娠中に経験した姑とのエピソードをご紹介します。

初めての妊娠で直面した切迫早産

K子は初めての妊娠で順調に8ヶ月目を迎えたものの、ここにきてまさかのトラブルに見舞われました。

お腹の張りと痛みが続き、心配になったK子はすぐに病院を受診。

診察の結果、「切迫早産」の兆候があると言われたのです。

医師からは、「今はとにかく安静が一番」と言われ、子宮収縮を抑える薬を処方されました。

その後、K子は予定より早めに産休に入り、自宅でしっかり休むことに。

体を大事にするためベッドで過ごす時間が増えましたが、心の中にはある不安が渦巻いていました。

それは彼女の姑の存在でした。

「妊娠は病気じゃない!」姑の圧力に困惑

K子の姑は、「妊娠は病気じゃないんだから、動かないと!」という昔ながらの考えを持っていました。

そのため、K子の体調にはお構いなしで、自宅に頻繁に訪れては「少しは動きなさい」としつこく言ってきたのです。

K子が「お腹が張って苦しいんです」と訴えても、姑は全く耳を貸さず、

「そんなこと言ってると出産がもっと大変になるわよ」などと逆にプレッシャーをかけてくる始末。

このような状況に、K子は体だけでなく、心もクタクタになりそうでした。

無理に動くとお腹がさらに張るし、切迫早産のリスクが高まるのでは? という不安でいっぱいに。

それでも、姑の言葉に逆らえないK子は、どうしていいのかわからなくなってしまいました。

医師にSOS! 姑を説得する作戦決行

そこで、K子は定期健診の際に思い切って医師に相談してみることに。

「実は、姑が動けって言うんですけど、どうしたらいいでしょうか」

と打ち明けると、すぐに

「それは良くないですね。動いたら早産のリスクが高まりますから、安静にするのが最優先です」

としっかりアドバイスをくれました。

さらに医師は、

「次回の健診にお姑さんを連れてきてください。私から直接お話ししましょう」

と提案してくれたのです。

K子はホッとしながらも「お姑さん、素直に聞いてくれるかな」と心配になりましたが、次の健診日に夫にお願いして姑を連れて行くことにしました。

健診当日、医師はK子の姑に対して

「K子さんは切迫早産の状態です。しっかりと家で安静にすることが大切なので、お姑さんもサポートしてあげてください」

と丁寧に、そして力強く説明してくれました。

姑も医師の言葉にはさすがに反論できず、ようやくK子さんの安静を認めることに。

これでK子さんは、安心して家で過ごせるようになりました。

安全第一で迎えた早めの出産、でも赤ちゃんは無事!

姑の干渉が減り、K子はリラックスしながら安静に過ごすことができるようになりました。

最終的に、予定日より1ヶ月早い出産となりましたが、幸いにも早産は免れ、元気な赤ちゃんが生まれてきました。

「あの時、医師が姑に話をしてくれて本当に良かった」と、K子は心から感謝しています。

姑も、K子のことを思っての言葉だったのかもしれませんが、とはいえ妊娠時の状態は人それぞれ。

頭ごなしに自分の考えを押し付けるのは良くないですよね。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。