ネットで注文した商品が、外に買い物に行かなくても自宅に届く『通販』は、忙しい現代人の味方です。便利で使い勝手のいいサービスですが、使いすぎている人を見ると心配な気持ちになることも。今回は通販をひんぱんに使うおばあちゃんと、おばあちゃんを心配する筆者の知人のお話を紹介します。

おばあちゃんの習慣と気持ち

母に祖母の買い物中毒疑惑について相談すると、意外にも母は祖母の通販に反対していないことがわかりました。

というのも、祖母は70代後半頃に足を悪くしてしまい、自分で買い物に出かけたり、台所に長時間立ったりすることが難しくなってしまいました。

そんな祖母のもとには昔から周囲から愛される性格ゆえに、たくさんの来客があります。手土産を持って来客する方も少なくありません。

祖母は昔から自分に会いに来てくれた人に対して、自分で作った手間のかかるお惣菜や田舎から取り寄せた調味料などを、お土産として持ち帰らせることが楽しみであり、恒例となっていました。

自分が買い物に出かけたり、手間のかかる料理ができなくなったりしたことで、代わりに通販で頼んだものを人に渡すことにしていたのです。

たしかに思い返してみると、私が祖母の自宅にいるときにも、いつも祖母のお友達や教え子などが遊びに来て、祖母は通販で買った商品を持ち帰らせていました。

祖父と祖母2人暮らしにしては食材が多いとは思いますが、賞味期限切れの食材で溢れかえっているわけではありません。祖母が通販を利用する理由や、人にお土産を持たせたい気持ちを知った私は、祖母の通販好きをとがめるのはやめました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。