テキパキと仕事をこなすA子
思うように作業が進まないと、人間関係はギスギスするもの。
キッチンに殺伐とした雰囲気が漂いましたが、そんな中でA子だけが的確に動いたのです。
実はA子は飲食店の調理場で働いていたため、30人分の食事作りは朝飯前。
自分の作業も手際よく行い、さらにキッチンの全体を把握し、親戚たちに「あの作業をお願いします」「味付けはこの調味料をこのくらいで」と、的確に指示を飛ばしました。
A子の行動により、なんとか料理を作り上げることができたのです。
A子の株が爆上がり
A子の料理は味付けもおいしく、料理を出すタイミングもばっちり。プロの仕事ぶりを見せつけました。
そのおかげで、A子の評価は爆上がり。
姑に色々と吹き込まれていたのかもしれませんが、胃袋をつかまれると人間は弱いのか、これまで遠巻きにしていた親戚も、A子に親し気に声をかけてくるようになりました。
A子は、「揚げ物のコツは?」「この料理の味付けを教えて」と親戚たちからチヤホヤされましたが、それを面白く思わなかったのが、姑のB美です。
B美は親戚たちから「頼りになるお嫁さんじゃない」と褒められて、腹が立つやら悔しいやら。
かといってA子の悪口を言うこともできず、引きつった笑顔で「ありがとう。でもまだまだ未熟な嫁よ」と悔し紛れのお礼を言ったそうです。
B美に悪気はなかったのかもしれませんが、この法事がきっかけで、親戚内での地位を確立したA子。
B美との立場も逆転し、親戚から頼られることも多くなりました。
A子はB美から嫌味を言われることもなくなり、実力で見返したのです。
【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2023年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。