たとえ記憶が薄れてしまったとしても、幸せな思い出は何らかの形でずっと心の中に残っているのかもしれません。もしそうだったら素敵ですよね。今回は認知症の祖父との心温まるエピソードを、友人が聞かせてくれました。
祖父が介護施設に入所することに
私には小さいころから大好きな祖父がいます。昔はよく一緒に遊んでくれたものですが、そんな祖父も80代半ばになり、最近では認知症も進行してきています。
近所に住む伯母が毎日様子を見に行き、身のまわりの世話もしてくれていますが、さすがに1人暮らしをさせるのは不安になってきたため、親族で話し合って、ついに祖父を介護施設に入所させることになりました。
みんなでいるのに、どうして?
入所前に祖父の自宅に親族で集まろうということになり、私も参加しました。
孫も私を含めて5人以上が訪れたのですが、認知症の祖父はもう孫たちの名前や顔も分からないようです。仕方のないことですが、寂しい気持ちになってしまいました……。
しかも、みんなが楽しく話している最中に、突然祖父は無言で席を立ち、フラフラと部屋を出て行ってしまったのです。