反抗期の息子に頭を悩ませる日々
私の息子は中学を卒業したころから激しい反抗期を迎え、高校3年間はほとんど家族と口をきかないほどでした。
学校にも行ったり行かなかったりで、もちろん成績も最悪。そのうち悪い友達とも付き合うようになり、非行に走るようになってしまいました。
多額のお小遣いをねだられて、「そんな大金、うちにはないわよ!」と断ると、「あーあ、完全に親ガチャ失敗だわ」と言われ、あまりのショックに泣き崩れたこともありました。
なんとか更生した息子
一時は本当にどうなることかと思いましたが、高校3年生の時に担任だった先生とはなぜかウマが合い、少しずつですが反抗期もおさまっていきました。
その先生のおかげもあって、真面目に学校に通うようになり、卒業後は地元の建設会社に就職。今では職人見習いとして毎日汗を流しています。
息子が作ってきてくれたのは
先日、息子が建設現場で出た端材で、勤務後に自作のガチャガチャを作って帰ってきました。
そして、それを私に手渡し、「あの時『親ガチャ失敗』って言ってしまったこと、ずっと申し訳ないと思ってた。これからは親孝行するから、このガチャガチャを月に1回引いてほしい」と言ってくれたのです。
最高の【ガチャ】に涙
息子に言われるがまま、さっそくガチャガチャを1回引いてみると、中から「オカンを車に乗せてスタバにつれていく! もちろん俺が奢る!」と息子の字で書かれた紙が出てきてびっくり。
そしてなんと息子は次の休日に、ちゃんとそれを実行してくれました。
それからも息子と私の【ガチャ】制度は続いています。
カラオケに連れて行ってくれたり、ケーキや花束を買ってきてくれたり、あの反抗期のつらい日々が今では嘘のようです。
でもあの日々があったからこそ、今の息子との関係があると思っています。どんな辛いことでも、無駄なことって無いのですね。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。