するとその時、突然インターフォンが鳴りました。
フラフラになりながら私が確認すると、そこには父の姿が!
夕方偶然連絡をもらった時に、息子と2人でインフルエンザにかかってしまったことを話したため、様子見も兼ねて片道1時間かけ、食べ物や飲み物などを差し入れに来てくれたのです。
夫の声は外まで聞こえていたそうで、私の父は「娘は熱が高くてご飯なんて作れないので、私が作りますよ。」と一言。
私の父に頭が上がらない夫は、アタフタして「大丈夫です!」と言ったのですが、「あなたがあんなことを言う人だとは思いませんでした。娘や孫は私が連れて帰りますので、どうぞ1人でのんびりと暮らしてください。」と毅然とした態度で対応してくれました。
平謝り
私の父の思わぬ登場におそれをなした夫は平謝り!
実は私の父は弁護士で、離婚問題などを専門に扱う弁護士事務所を経営しているのです。
権力や肩書に弱い夫は、結婚当初から父には頭が上がらない状態でした。
しかし、誰よりも怒っていたのは父でした。
謝っている夫を見もせずに、私と息子の荷造りをして実家に連れて行ってくれました。
末路
その後、夫は何度も謝ってきましたが、父は夫を許しませんでした。
「仕事柄、ああいうタイプの男はたくさん見てきている。改心できる人はほんの一握りで、それまでに女性や子供はたくさん傷つけられる。」というのが父の信条でした。
私も夫のモラハラには散々嫌な目に遭ってきたので、離婚を決意。
父のアドバイスを元に、多額の慰謝料と養育費を請求して、縁を切ることに成功しました。
あの時、毅然とした態度で私たちを救ってくれた父には、今でも感謝しています。
【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。