幼い子どもの行動はまさに予測不可能。奇想天外な事をしてしまうのが面白い部分でもあり、親としては苦労する部分でもあるものです。
今回は筆者の友人A子さんが体験した、まさに予測不可能な我が子のお話をご紹介します。

体調不良で寝込みたいけど、お世話もしなきゃ……

3歳の息子と夫の3人暮らしのA子さんのお話です。
ある日A子さんは高熱が出てしまったのですが、誰にも息子を預ける事が出来なかったので、1人家でみることになりました。
熱は40℃まで上がってしまい、一緒に身体を動かして遊ぶ元気はありません。
仕方なくリビングで横になって、息子と一緒にテレビを見ていたのですが……。

家遊びが退屈になってしまった息子は、外に遊びに行きたいと言い出しました。
何度宥めても外に行きたいと騒ぐ息子に、

「もうママしんどいの!」

もう動く余裕もなく、息子に怒ってしまいました。
そうしてA子さんは、そのままソファで寝落ちしてしまったのです。

もう無茶苦茶。早く誰か助けて

A子さんがハッと起きると、なにやら変な臭いがしました。
それはソファ横のミニテーブルからで、なぜか水浸しになっている臭いタオルが置いてあったのです。
ミニテーブルも水浸しになっていて、とにかく臭い。
さらに辺りを見回すと、なぜかあちこちにおしりふきが散乱していました。
もちろんオモチャも散らかり放題で、もう部屋はぐっちゃぐちゃの状態。

片付ける気力もなく、しんどさもあり涙がこぼれてしまいました。
夫が早く帰ってくることだけを祈り、どうにか息子の相手をし続けたのです。

夫はかなり早く帰宅してくれて、息子の相手を全て任せることが出来ました。
そうしてゆっくり休んだ翌朝、夫からの話を聞いて涙が止まらなくなったのです。

全ては母の為にした行動だった。本当にありがとう(涙)

息子は幼い頃からよく熱を出す子で、その度にA子さんはお湯につけて絞ったタオルで、優しく汗を拭いてあげていました。
息子はそのことを覚えていたらしく、母であるA子さんに同じことをしようとしたのです。

しかし水場にはベビーゲートがあって通れないので、リビングにあった金魚鉢の水にタオルを突っ込んだそう。
そのタオルをミニテーブルに置いたのですが、あちこちに垂れた水を見てヤバいと思ったのか、おしりふきで拭こうとしたというのです。

金魚鉢の水を使ったのは笑ってしまいましたが、息子がそんな行動をするなんて全くの予想外でした。
息子の優しさが本当に嬉しくて、思わず涙が出てしまった出来事でした。

まとめ

母の優しさを覚えていて、それを実行しようとしたなんて素敵すぎますね。
心優しいA子さんだからこそ、心優しい息子さんに育ってくれたのでしょう。
思わぬホッコリ体験に、こちらの心も温まりました。

【体験者:20代・主婦、回答時期:2020年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。