避難訓練や地震に対する備えをしていても、実際に地震が起こると、冷静に対処するどころかパニックになってしまうかもしれません。
今回は筆者の知人A子さんから、とある地震体験談をお聞きしました。
地震で家は半壊、何もかもが絶望的な状況に
ある日、学校が休みで家でのんびりしていると、突然の地震発生!
食器棚は倒れキッチンはガラスまみれ、あちこちの荷物が散乱し、さらに停電と断水が起こってしまいました。
幸いな事に家族全員怪我もなく、無事だったのですが……。
トイレも流せずお風呂にも入れない、なんなら食事のストックもあまりない状態だったのです。
避難所も人がいっぱいで入れず、半壊する祖父家で過ごさなくてはいけません。
また偶然耳に入った情報によると、支援物資を持って来てくれるはずのトラックの通り道が、落石により塞がれているとのことでした。
母と弟とA子さんは愕然とし、まさに絶望的な状況でした。
まさかの祖父の行動にびっくり! ちょっと凄すぎない!?
そんな中、なぜか祖父だけは冷静でした。
A子さんに何故か大きなカゴを持たせて、近くの森へと連れ出したのです。
祖父はキョロキョロと何かを探していて、何かを拾ってはA子さんが持つカゴの中へ。
「これは旨いで」
「これは毒があるからダメ」
なんと祖父は、食べられるキノコや野草を沢山採っていったのです。
その後は、弟を連れて川の水を汲んできて、
「念のため煮沸したほうがええ。その後ろ過したら飲めるわ」
そう言いながら、ペットボトルで自作の水ろ過機を作り上げたのです!
キッチンは崩壊して使えないのに……そう思っていたのですが、祖父の驚きの行動はまだ続きました。
なんと沢山石を集めてきて、石でかまどを制作してしまったのです!
無事だった広い庭には、テントとタープを張り、かまどに簡易水飲み場。
それはまさに、キャンプをしているようでした。
また祖父はご近所に知り合いも多かったらしく、色んな人達と情報共有して、畑の野菜やお米をいただいてきてくれました。
こうしてA子さん一家は、支援物資が届かなくても無事生き延びる事が出来たのです。
祖父のおかげで生き延びれた。本当に尊敬します!!!
家族の誰も知らなかったのですが、実は祖父の趣味はサバイバルだったのです。
その為サバイバル知識がかなり豊富で、何も知らなかったA子さん達に色んな事を教えてくれました。
お風呂には入れませんでしたが、沸かしたお湯で絞ったタオルで身体を拭くと、涙が出そうなほど気持ちよかったことを覚えています。
いつもおっとりしていて寝てばかりいる祖父でしたが、あの時誰よりも冷静で、素早く行動してくれた祖父は、本当に頼れる人でした。
あまりの行動力に尊敬し直したことと、今後に備えて自分も知識をつけなければと再確認した出来事でした。
まとめ
キャンプグッズをもしもの時に備えて用意するというのも良いですね。防災知識をつけることは無駄にはなりませんし、何事も知っていたほうが冷静に対処出来るのかもしれません。
いざという時に力を発揮できたおじいさま、かっこよすぎます!
【体験者:30代・OL、回答時期:2023年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。